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精米したてのお米を使って お米マイスターが作るお米パン 京都「廣瀬米穀店お米屋カフェ」

CREA WEB / 2024年2月11日 7時0分


お米パンいろいろ。

 小麦粉ではなく米粉を使ったお菓子やパンを焼く職人やお店が少しずつ増えてきました。お米を製粉した米粉ではなく、精米した上質米をそのまま使ってパンを作るお米屋さんを発見。さっそく出かけてみました。

 京都市営地下鉄烏丸線の十条駅から北東に歩くこと約5分。JR京都駅からは南に徒歩で約15分。「廣瀬米穀店」は、1926年創業のお米屋さんです。竹田街道に面した重厚な建物。左側のガラリ戸を開けると、お米が入った袋が積まれており、精米機を備えた昔ながらの米屋さんの佇まい。2017年にオープンした右側の「お米屋カフェ」は白壁のモダンな造りの外観で、店内にはずらりとパンやシフォンケーキが並んでいます。


「お米屋カフェ」の内観。毎週水曜日にお米パンが並ぶ。

「毎週水曜日にお米パンを販売しています」と、代表・廣瀬弘香さん。(米粉を使ったシフォンケーキは毎日販売)

「夫と共に2003年に『廣瀬米穀店』三代目を継承し、お米の消費量がどんどん減っていく現実を目の当たりにしました。そこで、米を使って何かできないかと考え、米粉100%で作る米粉シフォンケーキを考案しました」。弘香さんは工夫を重ね、2017年から米粉シフォンケーキの販売を始めます。グルテンフリーのお菓子として、口コミで広がり評判に。さらに、市販されている米粉や酒米などで作るパンの味や食感に納得がいかず、「米屋であることにこだわり、五ツ星お米マイスターだからできることを考えて」上質米で作るお米パンを開発。


割烹着がお似合いの廣瀬弘香さん。女性の五ツ星お米マイスターとしての活動も。

「米屋だから、米粉ではなく、上質米そのものでできないか」と考え、お米について学び直し、五ツ星お米マイスターProf(お米のプロで指導者としても活動)の資格を取得。「それぞれのお米の特性を知って、精米したての上質米を使って作るお米パンが完成しました」とにっこり。2020年から販売を開始。

 使用するのは、米穀店で扱っている上質米。滋賀県産や京都丹波産、丹後産や新潟県産魚沼のこしひかりなどです。厳選した玄米を精米し洗米、浸水。壺焼き製法塩、天然メープル、酵母などを加え発酵、型に入れて焼成するという独自の製法。お米で作る成形パンやフランスパンは、さらに特殊な作り方だそう。「季節や天気によって変わる上質米は、温度や湿度に合わせた調整が必要で、とても難しいんです」

「お米パンを食べると、少量でもおなかがいっぱいになる。そして、毎日食べると、おなかやからだ、お肌の調子がいいんですよ」と弘香さん。

お米パンのいろいろご紹介


後ろ左から:「お米食パン/特別栽培米・丹後産こしひかり」700円、「お米食パン/丹波産こしひかり」700円、「お米一斤角食パン/丹後産こしひかり」1,800円、手前左から「無農薬玄米パン/滋賀県産こしひかり・JAS有機栽培認定玄米」800円、「お米食パン/滋賀県産こしひかり」700円、後ろと同じ「お米一斤角食パン」。

 お米パンのいろいろを紹介しましょう。まずは、お米食パン。

「丹後産こしひかり/特別栽培米」は、優しい甘みで、お米の香りが広がります。

「丹波産こしひかり」は、むっちりした食感で、ほのかな甘み。

「滋賀県産こしひかり/JAS有機栽培認定玄米/玄米パン」は、こっくり深い味わい。鄙びたような風味も特徴です。

「滋賀県産こしひかり」は、噛むと粒が口の中でホロホロと解けるイメージ。お米の甘みが広がります。

「お米一斤角食パン/丹後産こしひかり」は、さっくり、むっちりした歯ごたえ。噛むとほんのりお餅のような香ばしい風味。お惣菜やお漬物と一緒に、ごはん感覚で食べられます。

 どれも軽く焼くとむっちりした食感になり、お餅のような香ばしさが食欲をそそります。注意深く味わうと、それぞれの味の微妙な違いを感じます。新潟県十日町産魚沼こしひかりを使ったものなどが登場するときもあるそう。


お米成形パン。左から時計回りで「レーズン」280円、「クリームパン」300円、「チョコレート」300円、「クルミ」280円、「あんこ」280円。

 成形パンは、様々な形をした、いわゆる菓子パン。

「クリームパン」は、クリーム入りのお餅を食べているような、モチモチ食感。噛むほどに甘さが口の中いっぱいに。

「レーズン」は、しっかり歯ごたえのある生地にレーズンの風味がマッチ。

「チョコレート」は、モチモチ生地で、大人から子供まで大好きなチョコ味。

「クルミ」は、生地の中にくるみの粒々が入っていて、そのままで香ばしくておいしい。

「あんこ」は、上品な甘さの粒餡で、歯ごたえのある生地。噛むほどに甘みが広がります。


左から時計回りで「お米フランス・プレーン」1,200円、「お米フランス・チーズ」900円、「ミニお米味食パン・自家製醤油こうじ」500円、「お米バンズ」400円。

 ハード系のお米パンもあります。

「お米フランス・プレーン」は、さっくりした食感。ほのかに塩味とお米の甘みがして、洋の料理に合いそうです。

「お米フランス・チーズ」は、歯ごたえしっかり。チーズの風味も強い。ワインとよく合います。

 ほんのり醤油風味の「ミニお米味食パン・自家製醤油こうじ」は、焼いたお餅に醤油を付けたような味。モチモチで香ばしい。

「お米バンズ」は、蒸し焼き製法の一品。いろいろな具をサンドして、甘みのあるリッチな味わいを楽しみたい。


お米味食パン。左から「ラムレーズン」「チーズ」「カカオチョコチップ」各800円。

 お米味食パンは、一見ケーキのよう。

「ラムレーズン」は、もっちり生地で、ラム酒漬けのレーズンのフルーティな香りが広がります。

「チーズ」は、チーズを生地に入れ、さらに表面にもトッピング。チーズの風味がお酒やワインと好相性。

「カカオチョコチップ」は、大人向きの上質なチョコパン。ケーキとは違うモチモチ生地がポイント。

「まずは、そのまま食べて、上質なお米の風味を味わってほしい」と弘香さんは言います。食パンは、硬くなったら電子レンジで20〜40秒。その後、オーブントースターで焼くと、カリッとした食感と香ばしさが加わります。「お米フランスは、オーブントースターでOK。一斤角食パンは、食べ方のアレンジがしやすく、チーズやきんぴらのホットサンドにしてみてください。いろいろ楽しみながら食べてみてほしい」

 米粉パンとは違う、ここだけの「米屋のお米パン」。お米の風味とお餅のような香ばしさが楽しめる、独特のパン。腹持ちが良いので、おやつはもちろん、朝食や昼食にもオススメです。


弘香さんはトールペイント講師でもあり(歴28年)、2014年からトールペイント教室「アトリエふぇ〜る」も主宰。看板をはじめ、店内には自身の作品が飾ってあります。

「お米パンの作り手を育てていきたいんです」と弘香さん。昨年の12月には、お米シュトーレンを販売するなど、新しい商品の開発にも熱心。「お米のことをもっと知ってほしい」。そんな思いから生まれた米屋のお米パンは、グルテンを避けている人やヴィーガンでなくても、クセになる味わいです。

廣瀬米穀店お米屋カフェ


外観。

所在地 京都府京都市南区東九条石田町36
電話番号 075-691-3480
https://www.okomeyacafe.com/

文・撮影=そおだよおこ

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