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「うつわ集め」を始めたい人必見! 賢者に学ぶ、暮らしにフィットする “出番の多いうつわ”の選び方

CREA WEB / 2024年2月13日 7時0分

 うつわのある暮らしには憧れるけれど、どんなふうに集めていったらいいんだろう……? うつわを手軽に、上手に暮らしに取り入れるためのヒントを求めて、達人たちを訪ねました。


◆Vol.10 お話を聞いた人 吉田美穂子さん


吉田美穂子さん

愛知県生まれ、東京都育ち。会社員時代に器の楽しみに目覚め、和食器専門店での勉務を経て独立する。1997年「宙 SORA」を目黒区碑文谷にオープン。手なじみのよい、日本人の暮らしにフィットするうつわをバラエティ豊かに揃えている。
https://tosora.jp/


自分の生活に向き合うとおのずと買いたいものが見える


「宙 SORA」の店内。ご店主である吉田さんのフラワーアレンジやスワッグを見るのも楽しい。

 日常生活で「自分が一番よく使うもの」はなんでしょうか。

 パンかごはんか、あるいはパスタやカレー、ケーキなど、ご自身が好きでよく食べているものを具体的に考えてみてください。あるいは好んで飲むものはなんでしょうか。

 日頃最も手にしているものを、まずは買ってみませんか。お気に入りのうつわがひとつでも見つかると、今まで使っていたものがちょっと物足りなく感じられてくると思います。そうすると、次に買いたいものも自然と繋がって見えてくると思いますよ。


様々なタイプの食器や花器などが揃う。

最初にそろえたい5つのアイテム。

 最初にそろえていかれるなら、こんな組み合わせがいいのではないかと思い、用意しておきました。ごはん茶碗、汁椀、そば猪口、6寸(直径が約18センチメートル)のリム皿、8寸の平皿です。


清水なお子さんの作品。ごはんを盛るにも、野菜などの和えものを盛るにもいい。

 ごはん茶碗は「手取りのいいもの」を選ぶのが大事です。手に取ってみて、しっくりくるかどうか。今回は清水なお子さんのごはん茶碗をご紹介します。絵付が合って、ちょっと華やかでしょう。無地のうつわの中にこういうものが1点あると、食卓がパッと明るく、楽しくなります。小鉢としても使えますよ。


蜂谷隆之さんの漆のうつわは手ざわりが素晴らしい。

 蜂谷隆之さんの作る漆椀、本当は飯椀なのですがスッとした形で汎用性が高く、汁椀としても、あるいは小鉢としても活躍してくれます。アイスクリームやあんみつなどを入れてもよく合いますよ。高台の高い「くらわんか」と呼ばれるデザインで、使い勝手のいいものです。


あれこれとほしくなるそば猪口の数々、小物入れに使うのもたのしい。

 そば猪口はひとつあるといろいろ使えて、本当に便利なもの。お茶やお酒はもとよりコーヒーにも合いますし、小鉢としても使えます。私は毎朝ヨーグルトを入れるのに使っているんです。

和食器は組み合わせを自由に楽しめるよさがあります


こいずみみゆきさんのリム皿はシンプルで洗練された雰囲気。

 6寸(約18センチメートル)のリム皿、幅広の縁(ふち)があるお皿です。食卓におしゃれな感じを加えてくれるデザイン。幅広のリムは中心部に盛ろうと思わず、はみ出して使っていいんですよ。パンやケーキ、ひとり分のサラダを盛るのにぴったり。洋風だけでなく、焼き魚などをのせてもしっくりくるんです。


あたたかみのある風合いが素敵な、タナカマナブさんの8寸皿。

 8寸(約24センチメートル)というサイズはパスタやカレーを盛ったときにちょうどよく、ワンプレートディッシュに使うにもぴったり。ひとり分を盛ったときに余白が出来て、見た目もすっきりと盛りつけられます。ただ大きいお皿を買うときは、ご自宅のテーブルの大きさも考えて。小さめの食卓ならば、ひとつ下のサイズの7寸皿のほうがおさまりがいいです。

 洋食器はセットでそろえるものですが、和食器はいろいろと違った雰囲気のものを組み合わせていく楽しさがあります。質感、形、色、手ざわり、それぞれがばらばらでも、組み合わせて並べてみると意外な相性のよさが生まれてくる。この楽しさは格別のものです。


基本のアイテムをそろえたら、湯呑みや小鉢などを増やしていっても。

 洋服で、上下がいまいち合わなくてもそこにスカーフひとつを合わせると全体がまとまるようなこと、ありませんか。それと同じような楽しさが、うつわの組み合わせにもあるんです。難しく考えず、自分だけの楽しい組み合わせを見つけていってください。


「宙 SORA」、最寄りは東急東横線の学芸大学駅。

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/

文=白央篤司
撮影=平松市聖

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