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「はじめはものまねでいい」 失敗しない「うつわの集め方」とは? 人気うつわショップ店主が伝授

CREA WEB / 2024年3月14日 7時0分

 うつわのある暮らしには憧れるけれど、どんなふうに集めていったらいいんだろう……? うつわを手軽に、上手に暮らしに取り入れるためのヒントを求めて、達人たちを訪ねました。


◆Vol.11 お話を聞いた人 髙はしこごうさん


髙はしこごうさん

長野県生まれ、代々木八幡「黄魚(きお)」店主。「料理を盛って完成する」をテーマに集めたうつわのほか、料理道具、織物や布、アクセサリー、革製品など広く扱う。店内に並ぶものはすべて、国内はもちろんヨーロッパやアジアまで店主自身が買い付けに行って集めたものばかり。
https://kurashinomise-kio.shop/


何もないところから好きなうつわに出合うって難しいと思います


「黄魚」の店内。うつわのほかカトラリー類やアンティークの鍋なども多くそろう。

 はじめは「ものまねでいい」んじゃないか、と私は思っているんです。インスタなどを見て「この人のうつわの使い方、素敵だな」と思った人のまねで。その人の料理とうつわの組み合わせ方をまねてみたり、素敵と思ったうつわに似たものを探してみたり。何もないところからうつわを探して好きなものと出合うって、難しいことですから。

 ただそのとき「自分の手元にあるものに足していく」、という意識はあったほうがいい。手持ちのうつわとあまりにも合わないものだと、浮いてしまいますからね。そこを気にしつつ、最初に足すなら「ベーシックなアイテム」をひとつ買ってみる、というのが失敗しにくいです。

 では何がベーシックか? ファッションと同じように考えればいいと私は思うんです。いくら「好き!」と思ってもいきなり、コム・デ・ギャルソンの個性的な服を買ったら手持ちのものと合いにくいし、値段もそれなりにするから買ったはいいけどなかなか袖を通さないというようなこと、ありませんか?

 うつわも一緒なんです。好きという勢いだけで作家ものを買うと「傷つけたら怖いな」と思ったり、他の食器と合わせにくかったりして、結局あまり使わないことがある。


和洋中を問わず料理が映える、角田淳さんの作品。

 最初に買ってみるなら、無地の角皿なんてどうでしょうか。

 多くの人は丸皿を買いがちですよね。手持ちのもの、丸皿が多いのでは? そんな中でひとつ角皿があると、食卓の雰囲気が変わります。また、食卓におさまりやすくもなるんですよ。丸皿だけだと場所を取り合ってしまうから。


十場あすかさんのオーバル皿(写真下)はどこか懐かしい雰囲気。日本の洋食を盛るとぴったりハマる。

 丸皿にプラスするなら、楕円形、つまりオーバルのお皿もおすすめ。こちらもひとつあると食卓がコンパクトにもまとまりやすい。シンプルなオーバル皿と個性的なデザインの小鉢を合わせる、なんてのも楽しいですよ。

ベーシックなうつわが揃ったら買い足したいもの


ガラスや木、アルミなど質感のまったく違う皿がひとつあると、見慣れた食卓の風景ががらりと変わる。

 ベーシックなお皿が揃ってきたら、異素材のうつわをひとつ持つのはどうですか。ガラス皿、木製のお皿、あるいはアルミで作られたお皿。

 洋服におけるアクセサリー感覚で考えてみてください。服がちょっとシンプルすぎてつまらないな……なんて思ったとき、ちょっと個性的なアクセサリーを足すことで全体の雰囲気がガラッと変わったり、締まったりってありますよね。普段みなさんがお洋服でなさっているのと同じような感覚で、異素材のうつわをひとつ足してみるといいと思います。


渡辺隆之さんの楕円鉢(写真右)は軽くて使いやすく、カレーや煮物のほかパスタ皿としても使いやすい。角田淳さんの輪花皿(写真左)は薬味や漬物を盛れば、食卓のいいアクセントに。

シンプルな白いボウルに変形の黒皿を合わせてコントラストのきいた食卓に。

 ひとつ持っておきたいのが、深さのあるうつわ。スペースを取るものでもあるので、麺鉢としても、どんぶりや煮物を入れるのにも使いやすいと感じられるものを選んでほしいです。深さのあるうつわも丸皿だけでなく、デザインに遊びのあるものを選ぶと楽しいですよ。

「自分の好きなうつわって、どういうものか」が分かってくると、料理も同時にうまくなっていくと私は思っているんです。このお皿に何を盛りたいか、具体的にイメージできるって料理のレパートリーも増えてきてるということですから。うつわ使いが素敵だなと思う人探しから始めて、うつわと料理の組み合わせをぜひ楽しんでください。


このうつわに、あなたなら何を盛りたくなりますか?

白央篤司

フードライター、コラムニスト。「暮らしと食」がメインテーマ。主な著書に、日本各地に暮らす18人のごく日常の鍋とその人生を追った『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)、『台所をひらく 料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(大和書房)がある。
https://www.instagram.com/hakuo416/

文=白央篤司
撮影=平松市聖

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