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ECMOを要する心原性ショック患者の院内死亡は、新規補助装置で改善せず

Digital PR Platform / 2024年1月17日 14時0分



[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81886/350_281_2024011709360565a720f5638f5.jpg
図3 ECPellaあるいはECMO-IABPを要した心原性ショック患者の経年推移


 一方で、ECPellaを使用した患者はECMO-IABPを使用した患者と比較し、在院日数が中央値で9.5日長く、出来高換算での医療費は約1.7倍(中央値で386万円)高額であることが明らかとなりました(図4)。



[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/81886/400_180_2024011709384365a72193dc448.jpg
図4 在院日数と出来高換算医療費の比較



今後の展開
 本研究では、その高い補助能力により生命予後の改善効果が期待されていたIMPELLAが、ECMOによる循環補助を必要とする心原性ショック患者の診療現場において、既存のIABPと比較して、短期的予後である院内死亡を改善していないことが医療現場の臨床情報(リアルワールドデータ)により示唆されました。使用したデータベースの性質上、本来分析に必要とされる重要な変数のいくつかを検討できていないため、ECMOに対する組み合わせとしてIMPELLAとIABPの優劣を決定するためには追加の研究が必要です。その中でIMPELLAの有する高い循環補助効果を最大・最適化するための工夫や対象患者の選択、治療戦略といった課題の解決が望まれます。またより長期にわたる予後についても追加での検討が必要となります。
 なお、本研究は医療現場に対して課題意識を持つ循環器内科医師が、横浜市立大学大学院データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻課程でデータサイエンス的手法を学んだ後、横浜市立大学附属病院次世代臨床研究センター(Y-NEXT)での勤務を通じて臨床研究に対する造詣を深めたことで、医療系ビッグデータへアプローチし解析を行ったことによる研究成果です。


論文情報
タイトル: In-hospital Mortality in Patients with Cardiogenic Shock Requiring Venoarterial Extracorporeal Membrane Oxygenation with Concomitant Use of Impella versus Intra-aortic Balloon Pump: A Retrospective Cohort Study Using a Japanese Claims-based Database
著者: 仁田 学、中埜 信太郎、金子 惇、伏見 清秀、日比 潔、清水 沙友里
掲載雑誌: Circulation Journal
DOI:https://doi.org/10.1253/circj.CJ-23-0758

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