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大規模データ間の類似度や対応関係を高速/高精度に算出する技術を開発 ~データの関係性を「素早く正確に測る」ことで、生成AIやメディア情報処理の革新的効率化を可能に~

Digital PR Platform / 2024年4月5日 15時5分

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 日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)は、データ間の類似度や対応関係を求める最適輸送問題(※1)に対して、実世界のデータに潜む巡回対称性(※2)を利用することで、完全に同等な解を高速に求めることが可能な新しいアルゴリズムを提案し、その効果を理論的かつ実験的に世界で初めて示しました。
 今回提案したアルゴリズムは、入力データの巡回対称性や様々な最適化技術を用いて、最適輸送問題を非常に少数の変数で構成された別の最適化問題に帰着し、それを元の最適輸送問題の代わりに解くことで、計算コスト削減を実現しました。
 これにより、熟練者と初心者間での身体動作の比較、定量化、そして可視化を通じて、人々の視覚認知能力の向上や伝承を支援する研究開発を推進し、スポーツを始め多様な人々の能力拡張とその発揮に向けたサービス基盤の実現に向けて前進します。
 また、2024年2月20日~2月27日にカナダ・バンクーバーで開催されたAI分野における最高峰の国際会議であるThe 38th Annual AAAI Conference on Artificial Intelligence (※3) (AAAI2024、採択率23.8%) において発表されました。


1.研究の背景
 NTTではICTによるナチュラルな人の能力拡張をめざして、実世界の本質的な変化や違いを見極める熟練者やAIの優れた視覚認知(=視覚環世界)を伝承し、人々の視覚認知能力に革新的向上をもたらす研究に取り組んでいます。具体的には、トップ選手動作への視覚認知向上による競技者の運動学習支援、微小拍動への視覚認知向上による(熟練医)研修医の(最)高難度手術の遂行支援、誇張表現を通じて選手や演者の動作意図が明確に伝わる高臨場体験の創出など、本質的な変化や違いのみを高精度に検出し、誇張表現を介して明瞭に可視化する視覚認知向上システムの構築を目指しています。
 上記システムの実現に向けては、データ間の変化や違いを高精度に検出する基礎技術が必要となります。近年、このような技術の一つとして最適輸送問題が注目されていますが、この問題を解くには多くの計算時間がかかるという課題がありました。今回の技術では、実世界のデータに潜む巡回対称性を利用することで、最適輸送問題をベースとした大規模データ間の類似度や対応関係を高速かつ高精度に計算する技術を開発し、計算コスト削減を実現しました。

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