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「オッペンハイマー」脚本に隠された秘密とは? ノーラン監督「ト書きは“オッペンハイマー”ではなく“私”と表現することにした」

映画.com / 2024年3月27日 12時0分

写真

(C)Universal Pictures. All Rights Reserved.

 第96回アカデミー賞(2024)の作品賞を含む最多7部門で受賞を果たした「オッペンハイマー」の特別インタビュー映像(https://youtu.be/C014V7gWZPY)が、このほど公開された。クリストファー・ノーラン監督が、本作の脚本に隠された秘密を明かすという内容だ。

 本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話に基づいて描いた作品。クリストファー・ノーランが監督、脚本を務め、主演キリアン・マーフィのほか、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.らが出演。第96回アカデミー賞では、作品賞のほか、監督賞(クリストファー・ノーラン)、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)、撮影賞(ホイテ・バン・ホイテマ)、編集賞(ジェニファー・レイム)、作曲賞(ルドウィグ・ゴランソン)の7部門でオスカーを獲得した。

 映像では「私が本当にやってみたかったことは、彼の世界に対する見方や経験に観客を巻き込むことでした」と語り始めるノーラン監督。「最終的には一人称で脚本を書くことにして、ト書きには“オッペンハイマー”ではなく、“私”と表現することにしました」と振り返っている。

 ノーラン監督「(このト書きによって)スタッフや俳優、オッペンハイマー役を演じたキリアン・マーフィなど、映画に関わるすべての人に、誰の視点に立っているのかを思い出させたかったのです」

 そして「あるシーンでカメラをどこに置くかを決めるとき、私と撮影監督のホイテ・バン・ホイテマは主観性について考えていました」と説明。「どうやって観客をオッペンハイマーの心の中に引き込むかを考えていたのです。それが、この映画全体をどう作るかの原動力になりました」と続けている。

 また、カラーとモノクロによる描写については「オッペンハイマーの(一人称の)視点と、より客観的な視点とのバランスを取りたかった。その客観的な視点が、ロバート・ダウニー・Jr.演じるルイス・ストローズが登場するモノクロのシーンです。オッペンハイマーという人物をより完全に理解するために、これら2つの視点を対比させたかったのです」と語っている。

 なお、3月25日には、IMAX、Dolby Cinema、35mmフィルム版による3劇場同時刻新宿ジャック「トリプルTOKYOプレミア」が実施された。アンケートでは、ノーラン監督の演出に対して、以下のようなコメントが寄せられた。

「人類を背負う一人の男のドラマ。クリストファー・ノーラン監督は個を通して地球という壮大なスケールを描くのが本当に上手い」

「オッペンハイマーの心情描写、それをより鮮明に描くための音響、カメラワークも流石の一言」

「素晴らしいシナリオ、素晴らしい演技陣、素晴らしい映像」

 またオッペンハイマーの主観をカラー、対立するルイス・ストローズのパートをモノクロで表現した演出については「ノーランは全ての作品で『時間』をテーマにしているが、本作では『原爆以前』と『原爆以後』という全く変わってしまった世界の時間を一つのテーマにしている」と指摘するコメントが見受けられた。

 「オッペンハイマー」は、3月29日より全国公開。IMAXは全国50スクリーン、Dolby Cinemaは全国10スクリーン、35ミリフィルム版は109シネマズプレミアム新宿にて同時公開。

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