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アリ・アスターも舌を巻いた異形ホラー「オオカミの家」は音もすごかった! ヒットの要因、作品の聴きどころ座談会

映画.com / 2024年4月7日 10時0分

編集部:上映館数も徐々に拡大していったのですよね。

山下:チネチッタでは、最初は200席くらいのスクリーンで上映したのですが、好評だったので2週目からLIVE ZOUND(ライヴ ザウンド)というリッチな音響システムの入った400席規模の大きなスクリーンで上映されました。嬉しいというより、「そんなに大きな部屋にして大丈夫なの!?」って感じでした。さすがにその大きさだと満席になる、ということはありませんでしたが、大勢のお客さんが入っていましたね。その大きな部屋でやった初日に僕も行っていたんですが、その時に立川シネマシティの編成部長が見に来てくださっていて、即決で翌週から立川での上映が始まったんです。そっちも初日に様子を見に行ったんですが、やっぱり満席。でも、みんな見終わったあと、ポカーンとしてるんですけどね(笑)。「何を見せられてたの?」って感じで。

笹川:イメージフォーラムのお客さんも、最初は「これ、やばいよね、怖いよね」っていうテンションで来るらしいのですが、終映後明るくなると、シーンとしてるって聞きました(笑)。

山下:うかつにものを言えない心理が働くのかもしれませんね(笑)。SNSを見ていると、全く面白くないって言う人もいるし、とにかく「寝た」って書いてる人が多くて(笑)。こんなに寝たことを公言される映画ってタルコフスキー以来じゃないか、っていうくらい。

編集部:何かわからないけど、でも、何かすごいものを見た。そういう体験ができることは確かですよね。

山下:そう、ハマる人にはものすごくハマる。みんなが「なんとなく良かった」っていう映画より、こういう反応が両極端に振り切る映画の方が「ヒット」になるのかもしれません。

編集部:監督2人はチリでは有名なアニメーション監督として知られているのですか?

山下:どちらかというと美術家、アーティストとしてでしょうね。この作品で、アニメーション作家としての名声も高まったと思います。「オオカミの家」はチリでも半年くらいは映画館で上映されたようですが、基本的にシネマテークや美術館での上映だそう。こんなに沢山の映画館で上映されて、当たったというのは日本だけだと思います。なにしろ遠い国チリの暗い過去の歴史を扱っているわけで、ほとんどの人はそんなことを知らずに見に来ている。だけど、見終わった後に、パンフレットを読んだり、関連する他の作品を見たり、調べ出してるんですよね。

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