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アリ・アスターも舌を巻いた異形ホラー「オオカミの家」は音もすごかった! ヒットの要因、作品の聴きどころ座談会

映画.com / 2024年4月7日 10時0分

 今日、ここで見て音が良かったでしょ? (一同同意)

 本当に音がよくできていたので、ここで仕上げのマスタリングだけすれば完璧になるのです。僕、ホラーは苦手なんで映像はあんまり見ないようにしていたけど(笑)、でも、音だけでいい作品だってわかる。サウンドスケープの自然音はもちろん、細かい面白い音がいっぱい入っていて。デジタルエラーみたいなノイズもわざと入れていたり。

 そして、ダイアログと音楽とSE(効果音)、ノイズも含めて同じレイヤーでデザインしているのが、僕と感覚的にすごく近くて。だからこうやりたいんだろうなというのが手に取るように分かる。音を好きな人は絶対気に入るはずです。

山下:今回、他の映画作品よりマスタリング作業に時間がかかったんですよね。

オノ:言うなれば音響作品でしたからね(笑)。数カ所だけ本当のデジタルエラーがあって、それは波形を見ればわかるんだけど、とにかく不思議な効果音が意図的にいっぱい入ってる映画なので、その意図から外れたエラーを取り除く作業が大変でした。このノイズはわざと入れているのか?なんて考えたりして、おそらく作り手と同じくらいこの作品の音に入り込んだかと思います。

ザジフィルムズ笹川氏(以下、笹川):作品は何度も見ていますが、こちらでBlu-rayを改めて見たら、音を聴いている、というよりも脳内で音が勝手に響いているような感覚になりました。笑い声みたいな音とか、初めて気付く音もいっぱいあって。画も音もとにかく情報量が多い作品なので、何回見ても発見がありますね。

オノ:サラウンドの使い方がうまいんだよね。ハリウッド作品のサウンドデザインに負けないぐらい音にこだわっている。

山下:主人公のマリアがあの家に入るまで、音はフロントのセンターからしか出ていない。そこまでずっとモノラルで。部屋に入った瞬間に5.1chになってドーンと広がる。サブウーファーから重低音も出て、これからヤバいことが始まるぞ、という予感を与えるんです。

編集部:劇場でご覧になった方は、Blu-rayでまた楽しめますね。一時停止や巻き戻して聴きなおすことができますから。

山下:ホームシアター(5.1chのシステム)があるお宅で聞いたら、自宅のどこかから聞こえてくる音なのか、この作品から出ている音なのか、判別がつかないような部分もあると思います。それくらいリアルに鳴っている。5.1chが聞けない人は、Blu-rayには2chのステレオ・ミックスも入っているのでそちらで。すでに配信で見ている方からも「ヘッドホンで聴くとすごい!」という感想もいただいているので、2chでも十分楽しんでいただけると思います。

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