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「SHOGUN 将軍」プロデューサー・宮川絵里子が“エミー賞最多ノミネート”に至るまでの道のり【NY発コラム】

映画.com / 2024年9月8日 8時0分

「彼女には素晴らしい指揮能力と直感があると思いました。それだけでなく、彼女はこれまで一緒に仕事をしたなかでも、最も勤勉な女優さんのひとりだと思います。今作では馬に乗り、スタントをこなし、戸田鞠子役として翻訳しなければならないシーンはとても複雑。演技をしながらアクセントもつけなければなりませんでした。彼女は現場で多くのことをこなさなければなりませんでしたが、決して不満を言わず、いつも周りに親切でした。彼女と一緒に仕事ができたことは本当に素晴らしかったですし、シリーズを通して彼女が評価されるのを見てとても嬉しく思っています」。

 本作は、全編をカナダのバンクーバーで撮影している。ロケハンの話題についても話をふってみた。

「私もバンクーバーでのロケハンに参加したかったです。ロケハンは、地元のチームによって行われたのですが、映画『沈黙 サイレンス』でもバンクーバーが一時は最有力候補となったくらい。それほど綺麗なところでした。バンクーバーでの撮影は初めてだったのですが、撮影現場として理にかなっていました。バンクーバーのダウンタウンからは、30分~1時間圏内に素晴らしいロケ地があるんです。おそらく東京だと、車で30分とか1時間走ってもまだ都内だと思います。バンクーバーには、多様で豊かな風景と土地がありました。それと同時に、バンクーバーの素晴らしいスタッフにも感銘を受けました。日本にはまだない良さがあったんです」

 撮影現場には日本人シェフを呼び、日本食を提供したそうだ。

「シェフは、モエ(Moet Nozaki Lee)さんです。食事はとても重要でした。撮影は雨が降ったり、寒かったり、長かったり、とてもハードだったので、モエさんが毎日日本のお弁当を作ってくれていました。当初は、日本から来たキャストやスタッフのためだけのものでしたが、徐々にみんなが『何それ?』という感じで、どんどん自分も欲しいと願い出る人が増えていきました(笑)。本当に美味しかったんです。(アメリカで出されるような)典型的な照り焼きチキンとは異なっていて、明太子パスタ、筑前煮等々、日本の家庭料理みたいでした。このような食事においての気遣いの違いが、どれほど大きな違いを生むか……私は侮れないと思っています」

 「SHOGUN 将軍」は、現在第2&3シーズンの製作が決定している。どのような展望を持っているのだろう。

「脚本家たちは懸命に取り組んでいて、脚本を書き出してからもう1カ月以上やっていると思います。私たちはジェイムズ・クラベルの原作本の内容を1シーズンで使い切ってしまっています。シーズン2があるとは知りませんでした。江戸時代に入る直前の歴史上の人物は魅力的でとても個性豊かです。同シリーズはフィクションではありますが、実際の歴史から多くのインスピレーションを得ています」

 第2シーズンもほぼ同じキャストが出演することになるのだろうか。勿論亡くなったキャラクター以外は――。

「そうですね。シーズン2があるとわかっていたら……素晴らしい人たちを殺しすぎてしまったかも(笑)。新シリーズでは、新キャラクターが増えることを、とても楽しみにしています。“戻ってくる”キャラクターも多いと思います」

 最後に、エミー賞への期待について聞いてみた。

「本当にすごいです。ノミネートされること自体がすごいことだと思っています。これ以上は望めない出来事です、エミー賞に行けるなんて!!」

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