見直したほうがいい家計ってどんな家計? その特徴とは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年10月8日 3時30分
定期的な収入があり支出もやりくりできていると、普段はお金に対して不安に感じることが少ないかもしれません。しかし、今のペースで老後はやっていけるのか、失業や病気で働けなくなったときに大丈夫かを考えると、急に不安を感じる人もいるでしょう。 普段は何とかなっている家計でも、ぎりぎりの状態だと、不測の事態が発生するとお金に苦労する状況になりかねません。将来困らないように、見直しをした方がいい家計の特徴について紹介します。
見直した方がいい家計の特徴とは
家計について確認するには、はじめに家計の現状の把握をしましょう。
まず、確認したい項目として資産と負債があります。具体的には、預貯金や投資などの金融資産がいくらあるか、ローンや奨学金などの借り入れがいくらあるかです。
次に、確認したい項目として年間の収入と支出があります。また、ボーナスがある場合は、毎月とボーナスを分けて確認するとよいでしょう。見直した方がいい家計には、次のような特徴があります。
・預貯金がほとんどない
・住宅ローン以外の借り入れを何となく利用している
・収支を把握できていない、または、毎月の赤字をボーナスで補塡(ほてん)している
これらの内容に当てはまる場合は、将来への備えも含めて家計を見直すのがよいでしょう。今はお金に困っていないとしても、不測の事態が発生したときに問題が出てくる可能性があるからです。
将来の備えとして預貯金を作る
金融広報中央委員会の「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上の世帯で、預貯金を含む金融資産を保有していない世帯は16.1%ありました。
年収別では、年収300万円未満では30.4%、300万円~500万円では17.9%と10%を超えています。
また、500万円~750万円で8.8%、750万円~1000万円で5.0%、1000万円~1200万円で4.0%、1200万円以上でも5.4%と、年収が高い世帯でも預貯金のないケースが約5%存在していることが分かります。
年収が高くても預貯金がないケースでは、収入に合わせて支出もかなり多いと考えられます。もし何かの事情で収入が減少した場合は支出も多いため、一気に家計が悪化する可能性が高くなります。
将来、収入の減少や、災害や病気など不測の支出の発生に備えて、預貯金を持っておく必要があるでしょう。
上記の調査結果での「金融資産保有額の中央値」は、年収300万円未満では300万円、300万円~500万円では420万円、500万円~750万円では720万円など、年収の6ヶ月分~1年分を保有している状況が分かります。
借り入れは計画的に利用
借り入れについては、住宅のように金額が非常に大きい場合は、やむを得ず住宅ローンを利用する必要があるでしょう。
借り入れをすると、利息を加えて返済する必要がありますので、借りた金額よりも実際に返す金額の方が多くなります。特にカードローンやリボ払いなど金利が高く設定されている場合は、返済額も大きくなる可能性があります。
上記の調査結果の「借り入れの目的」では、住宅資金が66.6%でトップですが、自動車など耐久消費財が24.2%、生活資金が13.0%、教育資金・結婚資金が9.5%となっており、住宅資金以外に借り入れをしているケースもそれなりの割合でみられます(複数回答のため合計で100%を超えることがあります)。
何となくローンを借りる状況では、返済に対する意識が薄くなりがちで、多額の返済で家計を圧迫する可能性があります。借りる前に返す金額や期間を確認して計画的に利用しましょう。
家計を把握して、毎月の収支をプラスに
預貯金を貯め、計画的に借り入れをするには、家計の収支を把握することがポイントになります。
何にいくら使っているかを把握できていないと、家計を見直す場合に何から手を付ければよいか分からなくなります。支出の分類ごとの金額について具体的な目標を決める方が行動に移しやすいので、現状の把握は必要でしょう。
また、毎月の収支がマイナスで、ボーナスで補塡している状況も注意が必要です。ボーナスは勤務先の経営状況などで影響を受けることも少なくありません。
ボーナスの減る額が大きいと、毎月のマイナスを補塡することができず、年間で収支がマイナスになるケースも考えられます。少なくとも毎月の収支をプラスにしておけば、ボーナスの変動の影響が、日々の生活に影響する不安は少なくなるでしょう。
一見問題がないように見える家計でも、将来的な不安が潜んでいる場合も少なくありません。見直しが必要な状況になっていないか確認をし、当てはまる場合は少しでも家計を見直しましょう。
出典
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果 各種分類別データ
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員
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