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故人の銀行口座からお金を引き出したら、相続放棄や限定承認ができなくなるってホント?

ファイナンシャルフィールド / 2021年11月10日 12時10分

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よく「亡くなった方の銀行口座からお金を引き出したら相続放棄や限定承認ができなくなる」と言われることがあります。果たして、本当に故人の口座からお金を引き出すことが直ちに相続放棄や限定承認ができなくなる原因となるのでしょうか、確認していきます。

【結論】故人の銀行口座からお金を引き出すことで、必ずしも相続放棄や限定承認ができなくなるわけではない

結論から先に述べれば、故人の銀行口座からお金を引き出すことによって、必ずしも相続放棄や限定承認ができなくなるわけではありません。
 
故人の銀行口座からお金を引き出したことで限定承認や相続放棄ができなくなるのは、その行為が法定単純承認と見なされる場合です。
 
法定単純承認とは、実際に単純承認として財産を全て引き継いだという意思を示したわけではないのですが、その性質から、法律上単純承認したと見なされる行為のことをいいます。
 
つまり、故人の銀行口座からお金を引き出すことで、必ずしも相続放棄や限定承認ができなくなるわけではなく、理由次第では、故人の銀行口座からお金を引き出した後でも相続放棄や限定承認も可能であるということです。
 

法定単純承認に当たる場合、当たらない場合

故人の銀行口座からお金を引き出すことが法定単純承認に当たる例としては、引き出したお金を相続人自身のために消費したという場合があります。
 
例えば、相続人自身の生活費に充てるためであったり、単純に手元にお金ほしいから、などといった理由で引き出した場合は法定単純承認に当たり、相続放棄や限定承認ができなくなります。
 
ただし、これには注意点が1つあり、故人のために引き出した場合でも、その金額が過大であると判断される場合は法定単純承認となってしまいます。この点には具体的な金額があるわけではなく、亡くなった方の身分などに応じて異なるため、一般的な金額にとどめておくことも大切であると覚えておいてください。
 
例えば、亡くなった方の葬儀だからといって、あまりにも盛大な葬儀を行うために故人の口座からお金を引き出すと、法定単純承認に該当すると判断される可能性があります。
 
それに対して、故人が生前に受けていた医療費を支払う場合や常識的な範囲内の葬儀費用を支払うために引き出したような場合は法定単純承認に当たらず、限定承認や相続放棄が可能となります。
 
つまり、故人のために行う引き出しで金額が適正であれば原則問題なし、故人のためでない場合や故人のためであっても金額が過大であれば法定単純承認に該当し、問題となるということです。
 

故人の口座からお金を引き出すときは相続人間での話し合いも忘れずに

法定単純承認に当たらないからと、相続人の1人が勝手に故人の口座からお金を引き出し故人のために消費してしまうと、今度は相続人間でトラブルが生じる恐れもあります。
 
故人の口座からお金を引き出す際は、限定承認や相続放棄ができなくなるという点だけでなく、相続人間との関係性に注意し、できる限り相続人間で連絡を取ってから引き出すようにしてください。
 

故人の銀行口座からお金を引き出す際は目的に注意

故人の銀行口座からお金を引き出すことで、直ちに相続放棄や限定承認ができなくなるわけではありません。相続放棄や限定承認ができなくなるのは、それが法定単純承認に該当すると認められる場合です。
 
故人の口座からお金を引き出す際はそれが法定単純承認に当たらないか注意するとともに、相続人間で連絡と確認を取り合ってから行うようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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