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実子であるBさんと養子であるCさん、相続人となれるのはどっち?

ファイナンシャルフィールド / 2018年10月20日 10時30分

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血のつながってない者同士の間に法律上親子関係を与える仕組みの1つに、「養子縁組」という制度があります。   しかし、養子縁組はその性質上相続の場面で問題となることがあるのです。   そこで、今回は「養子縁組をした養親に実子がいるとき、養子は養親の遺産を相続することができるのか」という問題について考えていきます。  

実子であるBさんと養子であるCさん、相続人となれるのは?

養親(養子縁組によって親となる人)をAさん、実子をBさん、養子(養子縁組によって子となる人)をCさんとします。
この状態でAさんが亡くなってしまったと仮定しましょう。
そのとき、相続人となれるのは実子であるBさんなのでしょうか。それとも、養子となったCさんなのでしょうか。はたまた実子か養子かに関係なく、Aさんの子であるBさんとCさんの両者が相続人となるのでしょうか。
 

BさんとCさんの両者がAさんの相続人となります

結論として、実子であるBさんと、養子であるCさんのどちらも、Aさんの相続人となることができます。
この際、相続分はBさんとCさんが等しく半分ずつとなります。なぜ、養子と実子が等しい相続分で相続人となるのでしょうか。その根拠は民法727条にあります。
 

民法727条

養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。
まずは上記の条文中の「血族間におけるのと同一の親族関係を生じる」という部分に着目してください。
本来であれば、AさんとCさんの間に親子関係はなく、CさんがAさんの相続人として遺産を相続することはありませんでした。
しかし、AさんとCさんは普通養子縁組により養親と養子の関係にあります。
すると、民法727条によりAさんとCさんの間には「血族間におけるのと同一の親族関係」が生じることとなります。
その結果、養子であるCさんも実子であるBさんと同様、Aさんの相続人として遺産を相続することができるのです。また、養子が相続人となれるか、否か、について、実子の有無は関係ありません。
相続人は1人でなければならないという決まりがない以上、養子が2人以上存在したとしても、民法上その全員が相続人となりえます。
ただし、相続税法上において、相続人として計算される養子の数は実子の数に応じ、次のような制限がある点に注意してください。
(1)被相続人に実子がある場合、または被相続人に実子がなく養子の数が1人である場合……1人まで(相続税法15条2項1号)
(2)被相続人に実子が存在せず、養子の数が2人以上の場合……2人まで(相続税法15条2項2号)
(3)相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合……養子を相続税法上の相続人に含めることができない(相続税法63条)
次に、実子と養子の間における相続分の割合についても確認しておきましょう。
先ほど掲載した民法727条にある「養子と養親及びその血族との間においては」という部分に着目してください。
「その血族」とは子や祖父母などのことであり、今回の例でいえばBさんのことです。これにより、養子であるCさんと養親の実子であるBさんとの間には兄弟姉妹の関係になります。そのため、BさんとCさんはAさんの相続において通常の兄弟姉妹と同じように、遺産を2分の1ずつの割合で相続することになるのです。(民法900条)
 

実子と養子、どちらも相続人となります

養子縁組をすることで、養親と養子の間には法律上親子関係が生じると同時に、養親の実子と養子の間には兄弟姉妹の関係が生じます。
それにより、養親に実子が存在したとしても、養子は実子と共に養親の相続人となるのです。
相続や養子縁組をめぐる法律問題は複雑になりがちです。個人での解決が難しいと感じたときは、できるだけ速やかに各種の相談機関や専門家へ、ご相談してください。
Text:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士

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