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退職後の繰下げ受給、年金の支給ルールをよく確認しておこう

ファイナンシャルフィールド / 2024年3月10日 9時40分

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65歳以降も会社に勤務していると、在職中はまだ年金を必要とせず、「年金は退職後に繰下げ受給をしたい」と考えることもあるでしょう。在職中から退職直後にかけての資金計画を考えるにあたって、繰下げ受給制度だけでなく年金の支給ルールを確認しておきたいところです。

繰下げ受給した年金は手続きをした月の翌月分から

65歳からの老齢基礎年金や老齢厚生年金を65歳から受給せず、受給開始を遅らせ、増額させるのが繰下げ受給制度となります。66歳0ヶ月以降であれば1ヶ月単位で繰り下げでき、最大75歳まで可能です。繰下げの増額率は1ヶ月あたり0.7%となります(【図表1】)。
 
図表1
 
年金は「○年○月分」という月単位で計算されます。繰下げせず65歳開始の手続きをして受給する場合は、65歳の翌月分から支給され、繰下げをした場合は繰下げの手続きをした月の翌月分から増額された年金が支給されることになります。
 
たとえば、2022年2月に65歳になる人が繰下げをしない場合は2022年3月分から支給され、67歳0ヶ月・16.8%増額で繰下げ受給(2024年2月に繰下げ手続き)をする場合は、2024年3月分から増額された年金が支給されることになります。
 

年金は後払いであることを理解しておく

「○年○月分」と月単位の年金は、原則として、2ヶ月分ずつ偶数月に後払いとなります(【図表2】)。つまり、前々月分と前月分の2ヶ月分が年6回に分けて振り込まれます。
 
図表2
 
ただし、これは原則で、例外もあります。年金は受給の手続きをして初回の支払いまでは3ヶ月程度(手続きの内容によってはそれ以上)はかかります。初回分は【図表2】の本来の支払日に間に合わないこともあり、その場合はその翌月の奇数月か次の偶数月に振り込まれることがあります。
 
先ほどの例では、2024年2月に67歳0ヶ月で繰下げ受給の手続きをすると、その翌月分である2024年3月分は本来の振込日である2024年4月15日に間に合わず、2024年5月15日に振り込まれることがあります。2024年5月15日でも間に合わず、2024年6月14日(※2024年6月15日は土曜日のためその前日)にその2024年3月分と次の2024年4月分・5月分の3ヶ月分で振り込まれることもあります。
 
年金が後払いであること、初回振り込みまで時間を要することを理解しておく必要があります。
 

退職後にすぐに年金の振り込みが必要かどうか

退職すると、今までの給与収入がなくなることでしょう。これまで毎月あった給与の振り込みがなくなり、これからは年金の振り込みに変わることになります。
 
しかし、退職後に年金の手続きをして、最初の振り込みまで3ヶ月程度はかかるとなると、それまで口座にお金が入ってこない状態となります。退職後の繰下げ手続きにより、その3ヶ月経ってからの振り込みでも構わない場合、つまり、給与の振り込みが終わって年金の初回振り込みまで生活費を貯蓄でカバーできるような場合、そのままその手続きを進めればよいでしょう。
 
一方、退職後、なるべく早く年金が入るように、言い換えると、給与から年金へ変わる振り込みが途切れないようにしたいのであれば、繰下げの手続きは退職前にする必要があります。もちろん、退職後に繰下げの手続きをする場合と比べ、繰下げの期間・月数がその分短くなり、繰下げの増額率もその分低くなることを承知しておく必要があります。
 
退職後の家計の収支や貯蓄の状況などを考え、繰下げのルールだけでなく、年金の支給ルールも再確認したうえで、手続きを進めたいところでしょう。
 

出典

厚生年金法 国民年金法
厚生労働省
日本年金機構 Q年金はいつ支払われますか。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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