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家族にも伝えておきたい遺族年金のこと(1) ~ もらえるケースともらえないケースの違いは?

ファイナンシャルフィールド / 2018年11月13日 10時15分

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国民の老後の生活に関係の深い年金。多くの人達が将来に不安を持つ中、今一度この年金制度について勉強してみましょう。   今回は遺族年金について紹介します。遺族年金は、まだ働いている年金加入者(被保険者)および年金受給者本人が死亡した場合に、残された遺族に支給される年金です。   では、具体的に遺族とは誰を指すのでしょうか? また、どういう場合にもらえて、どういう場合にもらえないのでしょうか?  

1.支給要件

遺族年金は、(1)年金被保険者(60歳前の現役世代としてまだ年金保険料を支払っている人)が死亡した場合(2)60歳以降老齢年金を受給している人(または受給権を得ている人)が死亡した場合に支給されます。
(1)についての具体的要件は
・「被保険者が死亡した日の前々月までの年金加入期間に3分の2以上保険料を納付していること」
または
・「前々月までの直近1年間に未納がないこと」
となります。
やや分かりにくい説明かもしれませんが、普段から年金保険料を払っていない人は受給対象にはならないということです。
 

2.年金の種類により対象遺族が変わります

日本の年金制度には、国民年金と厚生年金(共済年金を含む)の2種類の年金があり、それぞれ「遺族基礎年金」「遺族厚生年金(遺族共済年金)」が支給されます。
もともと国民年金は国民一人ひとりを保障しているのに対し、厚生年金は労働者(サラリーマン)世帯を保障していることから、遺族の範囲が異なります。
「遺族基礎年金」では、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子(高校生までの子のこと)がいる場合のみに限定され、配偶者と子が遺族になります。
イメージとしては子を育てている妻に養育費を支給するもので、子がいない場合妻には支給されません。
一方、「遺族厚生年金」では配偶者が対象となるので、子の有無に関係なく支給されます。配偶者、子に支給され、配偶者、子がいなければ父母、孫、祖父母の順に支給されます(優先順位があって前の順位の該当者がいない場合に権利が発生します)。
少し分かりづらいかもしれないので、夫婦世帯で年金加入者の夫が死亡した例を下記の表にまとめました。
子のないケースで、夫がサラリーマン(厚生年金加入者)であれば、妻は遺族年金の対象となります(表のケース4)が、夫が自営業者として国民年金のみに加入しているのであれば、妻は対象にはならず、遺族年金はもらえません。(表のケース2)※1
 

(表:家族構成別遺族年金の受給の可否)
なお、遺族については、本人死亡時においてその者によって生計を維持していたこと、高所得者でないことが求められます。妻や子が自分でもバリバリお金を稼いでいたり、自立して生活できていたりするような状況では遺族年金は支給されません。
 

3.子のない妻に適用される措置

国民年金加入者が死亡した場合、子のない妻(表のケース2)に遺族年金は支給されませんが、夫が納付していた国民年金保険料の掛け捨て防止の目的で「死亡一時金」または「寡婦年金」(ただし60歳以降)が支給される場合があります。
また、厚生年金加入者が死亡した場合、子のない妻(表のケース4)は遺族基礎年金を受給することができませんが、夫の死亡時40歳以上65歳未満であれば中高齢寡婦加算が別途支給されます。
いかがでしょう。今回は遺族年金の対象遺族や要件についてのみとなりましたが、実際にもらえる年金額については別の機会に紹介したいと思います。
年金制度は自身の老後だけでなく、万が一の際に家族の生活を守るためにも大変重要です。日頃から年金に関する情報(書類の保管場所や年金事務所の連絡先など)を家族と共有することをおすすめします。
Text:蓑田透(みのだ とおる)
ライフメイツ社会保険労務士事務所代表
 

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