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電気・ガス代は「酷暑乗り切り緊急支援」でいくら安くなる?「8~10月の見込み額」を、5人家族のわが家のケースで試算してみた

ファイナンシャルフィールド / 2024年10月4日 4時30分

電気・ガス代は「酷暑乗り切り緊急支援」でいくら安くなる?「8~10月の見込み額」を、5人家族のわが家のケースで試算してみた

2024年8月から「酷暑乗り切り緊急支援」として電気・都市ガス料金の値引きが始まっています。これは2023年1月から2024年5月まで行われていた「電気・ガス価格激変緩和対策」に続く経済産業省の取り組みです。今回の支援では実際にどれだけ家計の負担を減らせるのでしょうか? 5人家族のわが家で試算してみます。

「酷暑乗り切り緊急支援」で安くなる電気代・ガス代はいくら?

「酷暑乗り切り緊急支援」は、岸田内閣による家計支援の一環として行われます。年末までの消費者物価の押し下げ効果を狙ったもので、8~10月分に限り料金補助を行います。実際の値引き額は図1のとおりです。
 
図1

図1

経済産業省 資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援

値引き額の計算式

電気の値引き額=使用量(キロワットアワー)×値引き単価(図1)
 
ガスの値引き額=使用量(立方メートル)×値引き単価(図1)

5人家族の場合の値引き額と総額

わが家は両親と子ども3人(未就学児)の5人家族です。電気・ガスの見込み使用料をもとに3ヶ月の値引き額を試算しました。

【家屋の状況】

・賃貸マンション3LDK
 
・4階建ての3階

【エアコン使用状況】

・朝9時まで、午後5時以降は親子で在宅につきエアコン使用
 
・就寝時に室温30度以上なら夜通しエアコン使用

【ガス使用状況(キッチン・風呂)】

・毎日自炊。電気よりガス火での調理が多い
 
・夏季は浴槽に湯はりせずシャワーのみ使用

わが家のガス種はプロパンガス(LPガス)のため、都市ガスを利用する世帯よりガス使用量が少ないですが、料金は高いです。試算では、わが家のガス使用量を元に都市ガスの場合の値引き額を表しています。
 
参考までに、2024年7月の電気代請求額は8204円、ガス代請求額は3256円でした。
 
図表1
 
5人家族の見込み値引き額

低圧電気 都市ガス
8月 -800円
(200キロワットアワー)
-35円
(2.0立方メートル)
9月 -724円
(181キロワットアワー)
-35円
(2.0立方メートル)
10月 -287.5円
(115キロワットアワー)
-60円
(6.0立方メートル)
3ヶ月間の合計見込み値引き額 1941.5円

見込み使用料をもとに筆者作成
 

経済産業省の発表との相違

経済産業省は「標準的な使用量の家庭であれば、電気代が月約1600円、都市ガス代が月約525円、合計で2125円程度の負担軽減となる」としています。わが家は8月が835円の負担軽減となり、その差は月1290円です。
 
経済産業省の想定金額から逆算すると、電気使用量400キロワットアワー、ガス使用量30立方メートルとなりますが、どちらもわが家よりだいぶ多くなる計算です。考えられる理由としては、一般的に一軒家のほうがマンション・アパートより水道光熱費が高いこと、都市ガスの利用重量はプロパンガスより多いことなどが挙げられます。
 

電気代・ガス代の明細書の見方

各家庭の値引き額は、料金明細書をパッと見るだけでは分かりません。値引きの方法について理解する必要があります。
 
図表2

図表2

東京ガス株式会社 「酷暑乗り切り緊急支援」に伴うガス料金・電気料金の値引きについて
 
図表3
図表3

筆者が利用する小売業者の事前発表に基づいて作成
 
電気料金では「燃料費等調整単価」、ガス料金では「原料費調整単価」という項目で値引きされます。「燃料費等調整単価」は貿易統計における原油価格や液化天然ガス価格などから算出され、その時々の平均燃料価格により毎月変動する金額で、「原料費調整単価」は為替レートや原油価格の動きによって毎月変動する金額です。
 
支援を行っている企業の一覧と値引き表示例は、経済産業省 資源エネルギー庁の「電気・ガス料金支援を行っている電気・都市ガスの小売事業者などの一覧」で見ることができます。
 
図表4
 
電気料金の明細書 表示例

単価 使用量 金額
基本料金 550円 550円
電力量料金 28.6円 200キロワットアワー 5720円
燃料費等調整額 6.43円
(10.43-4.0)
200キロワットアワー 1286円
再エネ発電促進賦課金 3.49円 200キロワットアワー 698円
8月合計額 8254円

明細書を元に筆者作成
 

まとめ

「酷暑乗り切り緊急支援」に際し、実際に値引きされる金額は政府発表の月2125円に対し、わが家の使用状況では8月の負担軽減額は835円、3ヶ月の負担軽減額は1941.5円になる見込みです。
 
値引き額は家庭ごとの一律価格ではなく使用量に応じた価格なので、使えば使うほど支援策の恩恵を受けられるといえます。申し込みは必要ありません。残暑を乗り切るため、エアコンを使うことをためらわずに済みそうですね。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援
東京電力エナジーパートナー株式会社 燃料費調整制度とは
東京ガス株式会社 原料費調整制度とは?
経済産業省 資源エネルギー庁 電気・ガス料金支援を行っている電気・都市ガスの小売事業者などの一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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