遺族厚生年金の改正でどう変わる?今までと受給額に違いはあるの?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月10日 2時30分
遺族厚生年金の見直しが進められている中で、どのような改正で進められているのか、気になる方もいるでしょう。遺族厚生年金が、どのように変更されるのか気になるところです。 「遺族厚生年金の内容がよく分からない」という方もいるかもしれません。そこでこの記事では、遺族厚生年金とは何かを解説し、見直し後にどのような改善が行われるのかを解説します。該当する方はぜひ参考にしてみてください。
遺族厚生年金とは
遺族厚生年金とは、厚生年金に加入していた方の遺族に支給される年金です。受給するには条件を満たしている必要があります。条件は以下の通りです。
●厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
●厚生年金の被保険者期間に初診日から5年以内に死亡したとき
●1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
●老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
●老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
受給できるのは亡くなった方の収入で生活していた遺族の中で、最も優先順位が高い方です。優先順位が高い順に紹介します。
●子どもがいる配偶者か子ども
●子どもがいない配偶者
●父母
●孫
●祖父母
優先順位は「子どもがいる配偶者か子ども」が最も高く、次いで「子どもがいない配偶者」となっており、最も低いのは祖父母です。遺族厚生年金の受給は、夫の収入により生活をするパターンが多く、女性一人では生活が厳しいとみなされていたため男女によって差がありました。
しかし、近年の女性における社会進出により、支給額の見直しが行われています。
遺族厚生年金の見直し
ここからは現行の遺族厚生年金制度と改正が予定されている内容をご紹介します。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
現在の遺族厚生年金
遺族厚生年金の支給は、夫が亡くなった妻に対して30歳未満であれば5年の期限付きで給付、30歳以上の場合は終身で給付されています。20代〜50代で妻が亡くなった夫に対しては、55歳未満だと給付されません。
また、夫の場合は55歳以上で受給権が発生しますが、60歳まで支給されないという状況です。遺族厚生年金の制度は、このような点が男女平等ではないとして、見直しが進められています。
見直し後の遺族厚生年金
遺族厚生年金の見直しは女性の就業条件が発展し、共働きが増えていることから、男女差をなくしていく方向で進められています。見直しの対象となるのは、20代〜50代で子どもがいない配偶者です。
20代〜50代で子どものいる配偶者と、60代以上にあたる高齢の配偶者については、現行通りとなっています。見直し後は男女の差をなくし、20代〜50代の子どもがいない配偶者に対して、5年間の給付期間を設ける方針です。
また、現行の子どもへの支給は、置かれた状況によって支給が停止されています。しかし、均等ではないとして、あらゆる状況の子どもへの支給が見直されつつあります。
対象年齢の引き上げや年金額の増額なども考慮されていますが、急に変更が実施されるわけではなく、ゆるやかに行われるようです。遺族厚生年金の見直しは今後も進められる可能性が高いため、さらなる改正が実施される可能性もあります。
遺族厚生年金の見直しはおもに20代~50代の男女が対象
遺族厚生年金の見直しは20代〜50代で、子どもがいない配偶者を対象に行われる見通しです。現行では男性と女性に制度の差があり、不均等といわれています。見直し後は男女ともに5年間の給付期間を設ける方針のため、男性の方も受給しやすくなるでしょう。
さらに、子どもの生活環境によって支給が停止されていますが、すべての子どもを支給の対象にする方針もあげられています。
一方で、子どもがいる配偶者や60代以上の配偶者は、今のところ現行通りとなっています。ただし、見直しは続けられているため、今後も改正案のチェックが必要です。
出典
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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