2人に1人の時代。がん治療の現状とがん保険(特約)について知っておきたい事
ファイナンシャルフィールド / 2019年11月26日 9時0分
一生涯で「がん」と診断される人は、2人に1人ともいわれています。国立がん研究センターの統計によれば、2016年に約99万人の方が新たにがんと診断されたそうです。 がんと闘うために、各保険会社からさまざまながん保険が販売されています。皆さん、がん保険には加入していますか?加入しているがん保険はどのような内容になっているか知っていますか?また、金銭的な心配をせずに治療にしっかり専念できますか?
がん治療の現状
厚生労働省の患者調査によると、がんの患者は、平成14年では平均在院日数は35.7日でしたが、平成29年では16.1日と短くなっている傾向にあります。
また、入院患者数は平成14年では約13万9000人、外来患者が約11万9000人と入院患者の方が多かったのですが、平成26年は入院患者が約12万9000人、外来患者が約17万1000人と逆に外来患者が多くなっています。
入院は短期化し、通院しながらがん治療をする人が多くなっていることが分かります。
主ながんの治療には、三大治療といわれる「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」がありますが、その他にもホルモン療法などもあり、がんの種類や進行度に応じてさまざまな治療を組み合わせることが基本となっています。
手術して退院した後にすぐ完治、ということではなく、通院で治療を継続していくことも多くなっているようです。
がん保険(特約)の内容
がん保険には、ほとんどの場合、特約を付けることができます。一般的に特約の主な構成としては、入院・手術・通院・診断給付金・放射線治療や抗がん剤治療への給付金・先進医療などになっています。
特約に多いのですが、がんの入院保障にだけ上乗せし手厚くしている場合があります。例えば、入院1日5000円の医療保険にがんの入院特約として1日プラス5000円上乗せし、がんで入院したら1日1万円給付されるという内容です。
前述の調査からも分かるように、入院のみの保障は、退院後も治療が続いた場合を考えると不安があります。
入院や手術のみの保障しか付いていない内容であれば、他の特約や違う商品も比較検討してみられることをお勧めします。通院特約が付いていると退院後の治療にも役に立ちます。
ただし、通院期間の限度がありますので確認しましょう。放射線や抗がん剤治療をする場合は特約で保障してくれると助かりますよね。
がんと診断されたらまとまったお金を受け取れるのが診断給付金です。最近のがん保険ではほとんど付けられる保障です。この診断給付金のポイントは、受け取れるのは1回だけか、何回も出るか、という点です。
がんを患うと、新たながん保険に加入することは難しくなります(がん治療が終わって5年たっていれば加入できるがん保険もあります)。ですので、再発した場合などでも、また診断金を受け取れる仕組みだと安心度は高くなりますよね。
2回目以降の診断金を受け取れるものには「診断のみ」や「診断を受けて入院した場合」など条件があります。確認しておきましょう。
自由診療とは、健康保険を適用できない治療をいいます。健康保険の範囲で治療するのであれば、高額療養費制度がありますので、毎月の治療費の上限が決まっています(年収により上限は違う)。ただし、自由診療には高額療養費制度が適用されませんので、上限がなく全額自己負担になります。
そんな自由診療の場合でも保障してくれるがん保険があります。病院にかかった実際の費用を保障してくれるタイプです。自由診療という上限がない治療費の負担を減らして、かつ治療の選択肢が増えますよね。
また、先進医療も健康保険の対象とならない治療が多く、治療費が約300万円かかる病院もあります。それに対し、先進医療特約は保険料を月額約100〜200円としている保険会社がほとんどです。
自己負担を減らし治療の幅を広げるという意味では、先進医療も同時に考えるとよいでしょう。
まとめ
がん保険には90日間の待機期間があります。加入してすぐに保障が開始されるわけではありません。保険の見直しなどで、新たにがん保険に加入する場合は注意が必要です。新しいがん保険の保障が開始されるまで、前の保険は解約しないようにしましょう。
また、実際にがんと診断されて保険金を請求したら、思うような保障ではなかったということにならないためにも、加入しているがん保険(特約)の内容を今のうちに確認しておくことをお勧めします。
現在がん保険に加入されている方もこれから加入を考えている方も、金銭的にしっかりサポートしてくれる商品(特約)を選びましょう。
執筆者:田中栄二
AFP認定者
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