「日本版ブラックマンデー」を投資上級者はどう乗り切ったか、相場急変時パニックにならないためのコツを学ぶ

Finasee（フィナシー）

相場急変時も慌てず「静観」か「買い増し」が7割弱

4年前のコロナショックも経験しているような投資上級者ならば、今回の株価の乱高下に対しても冷静でいられたのでは。実態はどうなのでしょうか。調査はETF（上場投資信託）専門の資産運用会社であるGlobal X Japanが5年以上の投資経験があり、ETFを活用している全国の投資上級者の男女264人に質問。

結果、「不安」（＝「とても不安」＋「やや不安」）と回答した人が50.4%。やはり投資上級者でも普段あまり見ないような乱高下に不安を感じていた人が一定数いたようです。

パニック売りという報道も一部ありましたが、投資上級者は乱高下の最中になにか売買を行ったのでしょうか。調査では、「売却した」（＝「迷わず売った」＋「悩んだが売った」）と回答した人が33%にとどまる結果に。

一方で「悩んだが売らずに静観した」と回答した人が33.3%。さらに暴落を投資チャンスと考えたのか、「買い増した」（＝「迷わず買い増した」＋「悩んだ結果、買い増した」）と回答した人が33.7%も。投資上級者でも判断が分かれたのか、全体として売買行動はばらけた印象です。

 出所：Global X Japan　「投資歴5年以上のETF活用上級者に聞いた24年7〜8月の投資状況と期待テーマ」今後の投資スタイルを決めている人が9割以上

乱高下でも売却は限定的だった投資上級者。保有投資商品の評価額への影響はどうだったのでしょうか。調査結果では、評価額が「上がっている」（＝「とても上がっている」＋「まあまあ上がっている」）と回答した人が51.9%。さらに「あまり変動していない」と回答した人も16.3%いて、あれだけの乱高下でも評価額を下げずに運用していることがあきらかに。

乱高下を踏まえて、年内はどのような投資スタイルでマーケットに臨む予定なのでしょうか。調査結果では、「売る」（＝「多めに売る」＋「少し多めに売る」）と回答した人が30.3%。「売りも買いもせずしばらく静観」と回答した人が32.6%。「買う」（＝「多めに買う」＋「少し多めに買う」）と回答した人が32.9%でした。先ほどの売買行動と同様、今後の投資スタイルもばらけた印象。ただ「わからない」と回答した人が4.2%にとどまり、投資スタイル自体はしっかり決めているようで、それが暴落時のパニック売りが少なかった要因かもしれません。

 出所：Global X Japan　「投資歴5年以上のETF活用上級者に聞いた24年7〜8月の投資状況と期待テーマ」期待する投資テーマ 「半導体」「IT」「AI」を抑えて1位だったものとは？

令和のブラックマンデーを経て、投資上級者はどのような投資テーマや投資地域に注目しているのでしょうか。調査では、現在とこの先５年後の将来で期待している投資テーマと投資地域を10段階評価で質問。回答をマッピングしています。

結果、投資テーマで高い期待を集めたのは「高配当」。評価益はマーケットの変動による影響を大きく受けることから、配当金や分配金といった比較的堅実な収益を重視する人が一定数いるようです。

また「半導体」「IT」「AI」といったこれまでの上昇相場をけん引してきた投資テーマも引き続き高い期待。暴落があったとはいえ、こうした息長い投資テーマへの確信は揺るがないのかもしれません。

投資地域では、やはり多数の優良企業を擁する「アメリカ・北米」が断トツに高い結果に。それ以外だとITを中心とした成長が著しい「インド」、オール・カントリーでもおなじみの「全世界」、そして私たちのホーム・カントリーである「日本」への期待も比較的高いようです。

 出所：Global X Japan　「投資歴5年以上のETF活用上級者に聞いた24年7〜8月の投資状況と期待テーマ」

調査概要 調査名：投資歴5年以上のETF活用上級者に聞いた24年7〜8月の投資状況と期待テーマ 調査主体：Global X Japan株式会社 調査期間： 2024年8月26日〜2024年8月29日 調査対象： 5年以上の投資経験があり、ETFを活用している、全国20代～60代男女の投資上級者264人

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40～50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。