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50m級のロングスロー披露も…思わぬアクシデント “飛び道具”で歴史刻んだ最後の選手権

FOOTBALL ZONE / 2025年1月11日 21時10分

■大会屈指の"ロングスローワー"東海大相模DF佐藤碧、準決勝でまさかの負傷交代

 大会屈指の”ロングスローワー”は涙でピッチをあとにした。第103回全国高校サッカー選手権大会は1月11日に国立競技場で準決勝が行われ、東海大相模(神奈川)は第2試合で流通経済大柏(千葉)に0-1で敗れた。ロングスローで注目された3年生DF佐藤碧は、前半途中で無念の負傷交代になった。

 高校の部活動では野球部が名門として知られ春夏とも甲子園の常連校だが、サッカー部が激戦の神奈川を勝ち抜いて全国選手権に辿り着いたのは今回が初めてだった。そのチームが4強まで勝ち上がってきた原動力の1つが、40メートルから50メートルほどの飛距離を見せた佐藤のロングスローだった。

 全国の舞台で大きな注目を集めたことは、小学校や中学校の頃の友人からの反響や連絡も多く届いたという。そして、この日は「たくさんの人が応援に来てくれていた」のだと話した。試合が始まり、「注目されることで相手も対策してくるだろうけど、それを上回りたい」という思いを胸に1本、2本と持ち前のロングスローを見せたが、相手との接触プレーで左膝を痛めてしまった。

 試合中とありアドレナリンも出ていて「痛くてもテーピングを巻けばやれるだろうと」ピッチに戻ったが、ステップを踏んだ際に膝はプレー続行不能を告げた。これにより、佐藤の準決勝は前半30分で幕を下ろした。

 その後はチームの反撃を信じてピッチを見守った。途中出場の2年生FW戸川昌也は、佐藤を彷彿させるロングスローも投げた。「交代してしまったけど、戸川がチャンスにしてくれた」という必死のプレーも実らず、佐藤は試合終了のホイッスルをピッチの外で聞いた。

 不完全燃焼になってしまった試合後に「こういった大きな舞台で応援もしてもらって、最後まで戦えなかったのは悔しい」と話す戸川だが、「初出場だから怖いものなく、強豪も恐れず全力でやってきた結果」だとも話す。悔しさを胸に持ちながらも、「堂々と帰りたい」という言葉は力を出し切ったことの証だろう。卒業後は大阪体育大に進みサッカーを続けるという。

 昨今の高校サッカーではロングスロー戦術を取り入れるチームが増えた。サッカーの一部でありながら手を使ってゴールに迫る特殊性からも賛否両論があるのは事実だ。

 ただし、佐藤にしてもピッチ上で11人の一員としてプレーに参加する時間がほとんどだ。彼自身もまた「つなぐサッカーが苦手だったけど、できるように成長できた」と、ピッチ内でのプレーについて話す。その90分間の中で、特徴を生かせる場が少し目立つということでもある。

 初出場でベスト4まで進んだ快進撃に、佐藤が見せた超長距離のロングスローは東海大相模も自身も強く印象付けた。それもまた、選手権の歴史の中に刻まれる1ページになった。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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