横浜高で甲子園→プロ入り遂げた巧打者の“共通項” 親も驚嘆…衰えなき「不変の姿勢」
Full-Count / 2024年4月5日 11時57分
■横浜高校出身…鷹・近藤、楽天・渡邊佳の父母が語る2人の少年時代
遊びの延長線上に上達や甲子園出場があった。ソフトバンク・近藤健介外野手の父・義男さんと、楽天・渡邊佳明内野手の母・元美さんが4日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベント「甲子園予備校」に出演し、プロ野球選手となった息子の少年時代のエピソードを披露。2人の選手には「野球は遊びの1つ」という共通点があった。
近藤が少年野球チームに入ったのは小学校4年生の時だった。体を動かすのが好きな少年で、野球を本格的に始めるまで水泳や剣道、器械体操やスキーなど、あらゆるスポーツに興味を持って経験したという。中でも打撃が大好きで、チームに入る前から毎日のように自宅の前でティー打撃をしたり、バッティングセンターに行ったりしていた。
「練習という感覚ではなく、遊びで野球をやっていました。うまくなることが楽しかったんだと思います」と義男さんは振り返る。少年野球チームでは誰よりも早くグラウンドに行き、チームメートと遊んでから練習を開始。練習が終わるとグラウンドに残り、両親が呼びに行くまでサッカーをしていた。
近藤が野球を楽しむ姿勢は、横浜高校に進学しても、プロに入ってからも変わらなかった。全国屈指の強さを誇る名門校の練習は楽ではない。それでも、常に楽しそうにしていたという。
当時、横浜高校野球部の寮母をしていた元美さんは、「練習はすごくきついはずなのに、近藤くんはいつも笑顔で苦しそうな様子を見た記憶がありません」と回想した。
義男さんが驚くのは、プロで結果を残しても近藤の好奇心や向上心が衰えないところにある。今年の自主トレには、動画サイトで知った野球スキルコーチ・菊池タクト氏を招いて、打撃理論や練習法のアドバイスを求めた。義男さんは「WBCで打てたのは菊池さんのおかげと話していました。健介は今もうまくなろうとしています。野球を楽しんでいるところが一番良いところだと思います」と語った。
近藤の父・義男さん(左)と渡邊の母・元美さん【写真:本人提供、伊藤賢汰】
■バッティングセンターで上達…“タダ券”目指し「ストラックアウトを」
横浜高から明大を経て楽天に入団した渡邊も、子どもの頃、野球が“遊び”だったという。母が横浜高の寮母だったため、寮で過ごす時間が長く、野球部の選手はお兄ちゃんのような存在だった。野球で遊んでもらい、横浜高でプレーすることが憧れや目標となっていった。元美さんは「佳明も野球が大好きで、遊びと言えば野球でした」と話す。中でも、バッティングセンターがお気に入りだったという。
「バッティングが好きで、よく行っていました。ストラックアウトで決まった枚数を抜くと、バッティングができる券をもらえたので、たくさん打ちたくてストラックアウトをやっていました。それが楽しくて、やっているうちに投げるのがうまくなったと、父(横浜高元監督・渡辺元智氏)が言っていました」
何事も、好きでなければ継続するのは難しい。野球上達の原点には“遊び”の楽しさがある。(間淳 / Jun Aida)
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