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「日本のグラブが世界一」 大谷翔平の元相棒絶賛…メジャーリーガーも惚れ込む“技術”

Full-Count / 2024年4月15日 7時10分

グラブ工場を見学するカート・スズキ氏(左)【写真:木村竜也】

■カート・スズキ氏が率いる米小学生チームがグラブ工場を見学

「メイド・イン・ジャパン」はアメリカでも高い評価を得ている。元メジャーリーガーのカート・スズキ氏が監督を務めるポニーリーグチーム「PONO(ポノ)」と、前サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下マイナーの筒香嘉智内野手がオーナーを務める少年硬式野球チームの「和歌山橋本Atta boys(アラボーイズ)」が、1日から2日間にわたって、和歌山県橋本市にあるTSUTSUGO SPORTS ACADEMYで交流した。最終日には、スズキ氏らPONO一行が奈良県三宅町でグラブ工場見学に参加し、日本が誇る職人の技術に触れた。

 ハワイ出身で日系3世のスズキ氏は現役時代、エンゼルスなど5チームに所属した。ツインズ時代の2014年にはオールスターに出場したほか、2019年にはナショナルズのワールドシリーズ制覇に貢献。2021年からプレーしたエンゼルスでは大谷翔平投手とバッテリーも組んだ。引退後に少年野球の指導者となったスズキ氏は、筒香の兄・裕史さんと共通の知人を介して繋がり、子どもたちに野球を通じて人間として成長してほしいという育成方針で意気投合。この度、PONOが来日するという形で異文化交流が実現した。

 そして、文化交流の一環として訪れたのが、奈良県三宅町にあるグラブ工場だ。三宅町は「全国で2番目に小さい町」とうたう小さな町ながら、1921年から100年以上にわたってグラブ生産が続いている。50年ほど前は約100社のグラブ工場が軒を連ね、日本のグラブ生産の約9割をまかなっていたという。当時は年間580万個ほど生産し、その約9割はアメリカへの輸出品だったというから驚きだ。現在はおよそ20社まで減少しているが、“グラブの町”として球界に大きく貢献している。

 一行は「吉川清商店」と「ゼンコーインダストリー」を訪問。それぞれにグラブやミットに使用される革の違いや製造過程などについて、実演を交えながら説明を受けた。初めて見る職人仕事に子どもたちはくぎ付け。保護者たちは子ども以上に興味津々の様子で、またとない貴重な体験に写真や動画をとる手が止まらなかった。

 工場内に新品のグラブがズラリと並ぶ光景は、野球好きにとってはまるで夢のよう。子どもたちのみならず、スズキ氏を筆頭に大人たちも目を輝かせながらグラブやミットを手にしていた。

■スズキ氏は現役時代、日本製のキャッチャーミットを愛用

 スズキ氏は「日本のグラブが世界一だよ! アメリカではみんなそう思っていると思う。少なくとも僕は現役時代に日本のミットを愛用していたしね。(アメリカで)手に入れるのは難しいけど、紐の部分やポケットといった細かな部分やもちろん、ミット自体の形も素晴らしいんだ」と細部まで職人技が行き届いた“日本製”を大絶賛した。

 さらに、工場内に置かれたグラブを手に取りながら、「ショウヘイはアシックスを使っていたね。彼から『使わない?』って勧められたこともあるよ(笑)」と回顧。大谷から日本製品を勧められていたエピソードを明かし、笑顔を見せた。

 見学後には工場の方々や三宅町商工会から、子どもたち1人1人にカタカナで名前が刺繍されたグラブ生地のキーホルダーなどがプレゼントされた。スズキ氏にはオリジナルのキャッチャーミットが贈られるなど、粋なおもてなしに一同は大感激の様子だった。

 三宅町に100年以上もの長きにわたり受け継がれてきたグラブ作りという伝統工芸が、野球を通じた異文化交流に花を添えた。(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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