放った圧倒的な存在感、MF柴崎「良いバランスでできた」
ゲキサカ / 2014年10月11日 2時7分
[10.10 キリンチャレンジ杯 日本1-0ジャマイカ デンカS]
この男がボールに触れるとリズムが生まれる。中盤の至るところに顔を出したMF柴崎岳は攻撃面だけでなく、守備面でも圧倒的な存在感を発揮し、ハビエル・アギーレ体制初白星へと導いた。
「ジャマイカの集中力が散漫だったので、ショートカウンターから何度もチャンスを作れました。得点シーンはまさにそういう形だったのかなと思います」と振り返るのは決勝点の場面。前半16分、ゴール前でFW本田圭佑がボールを受けると、素早く右サイドを駆け上がってボールを呼び込む。右足で送ったクロスが相手のオウンゴールを誘い、この試合唯一の得点を演出した。
この場面だけでなく、柴崎は攻撃にリズムを生み出し続けた。視野の広さを生かし、チームメイトのスピードを落とさない位置に鋭いパスを通すだけでなく、左右に散らしてジャマイカ守備陣の隙を突くように攻撃を組み立てる。さらに、守備面でも魅せた。
相手にボールを奪われた瞬間に素早く攻守の切り替えを行い、相手に圧力を掛ける。相手の攻撃を遅らせるだけでなく、奪い切ろうという気迫の守備で何度も相手のボールを強奪した。これにはアンカーに入ったMF細貝萌と、良好な関係が築けていた影響があると語る。「萌さんが中にいるので、前に重心を置いて守備ができた部分があります」と守備面での影響を話すと、「攻撃面では1枚必ず残る状況が常にあったので、追い越す動きもできれば、ゲームメイクする部分もできました」と攻撃面での影響も話した。
さらに、初めてインサイドハーフをMF香川真司との関係も「バランスを見ながら、良いバランスでできた」と手応えを口にしながらも、まだまだチームとして精度を高められるとしている。「アタッキングサードでのクオリティーをもう少し上げないといけないし、コンビネーションやラストパスの精度を上げる事ができれば、さらに得点チャンスを増やせたと思います」。代表2キャップ目を刻んだ男は、さらに成長していくことを誓う。
(取材・文 折戸岳彦)
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