[選手権予選]我慢強く戦い、CKから2発!名門・藤枝東が科学技術振り切り、静岡準決勝へ
ゲキサカ / 2015年11月6日 7時59分
それでも就任1年目の小林公平監督が「完全に押し込まれる時間が長かったですし、GKとDFラインの間にはスペースを与えてないけれど、その前にスペースを与えすぎた」と振り返ったように、科学技術にバイタルエリアを活用され、特に終盤は我慢の展開となった。29分、科学技術は三輪の左CKからニアサイドへ飛び込んだCB堀口文太主将(3年)がダイビングヘッド。これはわずかにゴール右へ外れたが、37分には左サイドを突破した柴崎の折り返しから山島が左足を振りぬく。CB久松真之(2年)がブロックしてこぼれたボールが柴崎の足下に転がったが、シュート精度を欠いて決めることができない。この大ピンチもDFがしっかりと出した一歩で凌いだ藤枝東は逆に後半39分、交代出場MF井出皓介(2年)の右CKをニアサイドの交代出場MF秋田賢吾(2年)がコースを変えると、最後は1年生MF曽根が右足でゴールへねじ込んで2-0。公式記録上はシュート数4-14という展開だったが、シーズン後半から着実に高まってきているという守備力によって無失点で終えた藤枝東が準決勝への切符を掴んだ。
主将の渡邉は「相手の勢いというものに飲み込まれる時間が多くて、その中でも粘り強くやれたことが勝因だと思います。(シーズン序盤は)相手の勢いになったら大量失点することが多かった。夏以降、そういう苦しい場面で耐えぬいて勝ち切ることができてきたのが成長できた要因だと思います」。藤枝東は今年4月、元U-17日本代表DFで同校のOBでもある小林監督が就任。1学年上にMF長谷部誠、同期にMF成岡翔やDF大井健太郎、MF岡田隆らがいる新指揮官は「あの時の強さというのは全国でも優勝候補になるくらい。それを取り戻したいと思っていますし、ボク、最後怪我して選手権に出ていないんですよ。恩師に恩返しできなかったので、いつか自分でチーム率いて借り返したい、恩返ししたいという思いで」指導者になったという。戦力的に飛び抜けた世代ではなく、プリンスリーグ東海では開幕3試合で12失点。伝統的なパススタイルのサッカーで勝つことを期待する声もあるが、まず守備を立て直すことから始めたチームはプリンスリーグ後期最初の3試合で静岡学園高に完封勝利するなど全て無失点で終えるなど力をつけてきた。「オールドファンからすると物足りないかもしれないですけど。勝たせてあげて、自信つけて」と小林監督。トレーニングではパスワークに徹底してトライしつつ、守り切ることもできる対応力も身につけたチームは「最低限」の4強切符を獲得した。
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