度重なる逆境もDF井林「それでもやらなきゃいけない」…試練乗り越えた東京V
ゲキサカ / 2016年6月20日 13時8分
[6.19 J2第19節 東京V2-1京都 味スタ]
逆境に次ぐ逆境を跳ね除けた。東京ヴェルディは京都サンガF.C.に2-1の逆転勝利。5試合ぶりの勝利を手に入れた。累積警告や故障による主力の不在。早い時間帯での負傷交代やレフェリングに泣くシーンもあった。それでもぶれずに戦い続け、勝ち点3を手に入れた。
9試合負けなしの4位・京都をホームに迎えるなか、DF安在和樹とFW平本一樹が出場停止。昨季のチーム内得点王FW南秀仁とMF安西幸輝は負傷でベンチ外。向かい風吹く中で始まった一戦では、前半11分にFW高木大輔が脳震とうの疑いに加え、右足負傷で交代した。次々と試練が襲い掛かった。
前半17分には味方のパスに抜け出たMF澤井直人がPA手前でGK菅野孝憲と交錯。GKの手がゴールへ向かう澤井の足にかかっているように見えたが、『決定機阻止』とは認められず、菅野は警告を受けるに留まった。判定に不満を募らせたFWドウグラス・ヴィエイラやMF中後雅喜が主審に詰め寄るが覆ることはなく。胸にわだかまりを持ったまま時間は進んだ。そして前半32分に失点する。
1点を追う展開となった前半37分には、相手のハンドが疑わしいシーンもあった。MF井上潮音の右CKがPA内正面へ飛び込んだ京都MFアンドレイの右手に当たったのだ。しかし、ノーホイッスル。前半を0-1で折り返した。
キャプテンのDF井林章は「(レフェリングに関して)個人的に思っているところがある人は多いと思う」と前置きしつつ、「今日に関しては自分も目の前でハンドを見るようなシーンがありました。目の前にいたからこそ、切り替えづらいような判定がありましたけど、それでもやらなきゃいけない。そこで崩れなかったから失点も1で済んだ」と振り返る。
総力戦で乗り切ろうとした一戦で、度重なる“試練”により、メンタルは乱されたことだろう。それでも選手たちは気持ちを切らさなかった。冨樫剛一監督が「(ハーフタイムには)サッカーの中で結果を変えていこうと話そうと思いましたが、その前に選手たちは落ち着いていた」と明かしたとおり。選手たちそれぞれ思うところはあれど、勝利だけを見据えて、各々のなかに渦巻く思いを消化。ピッチ上で結果を出すこと、その一点に集中した。
そして後半に待っていたのは鮮やかな逆転劇。後半19分に澤井のゴールで追いつくと、後半30分にはMF高木善朗のFKからDF井林章がバックヘッドで勝ち越し弾。「あそこを狙えるほど、自分は上手くないので。当てたらいいところに飛んでいった」と殊勲のキャプテンは笑い、「バックヘッドは狙ってはいるんですけど、あんないいところにいくとは思わなかった」と振り返る。勝ち越した東京Vはそのまま逃げ切り、2-1で勝利した。
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