[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:“キャプテンマーク”を巻いた副キャプテン(関東一・鈴木友也)
ゲキサカ / 2016年6月23日 6時55分
本命視されていた選手権予選は準々決勝での敗退を余儀なくされ、想像していた時期より早く立ち上がることとなった新チームで鈴木は副キャプテンを任される。昨年から主力を張っていた自覚もあって、「今年は自分がやらなくてはいけない」という気持ちは十分過ぎる程に持ち合わせているものの、時としてそのベクトルが他者に向き過ぎることもある。今シーズン序盤のあるゲームで、チームメートへ怒鳴り散らすことの多かった鈴木について小野監督はこう言及している。「アイツは“湯沸かし器”だったので、『オマエの闘争心の使い方はそうじゃないんだよ』と。『別にウチにはオマエ以外にも繋げるヤツはいる。でも、オマエにしかウチのゴールは守れないんだよ』と。アイツはああなんですけど、ああいう表現ができるのは良い所でもあると思うんですよね」。声を出せるというのはそれだけで貴重な能力だ。その部分は十分に認めながらも、チームの中での彼の立ち位置も考慮した上で、小野監督の中で1つの結論に達したのが“キャプテンマーク”を託すということ。元々冨山は飄々としたタイプだったが、キャプテンという大役を「自分が盛り上げようみたいな所は意識していますし、自分からどんどん言うことで自信みたいなものが付いて、プレーの波というのが今年に入ってからあまりないなというのは感じています」と自身の成長へしっかり繋げていた。あとは鈴木次第でチームは完成に近付いていく。関東大会予選以降、関東一の赤いキャプテンマークは鈴木の左腕に巻かれることが多くなっていった。
都立東久留米総合高との準々決勝をPK戦の末に制し、全国出場を懸けて臨んだ駒澤大高との準決勝。キャプテンマークを巻いた鈴木は、なかなか序盤から安定感を打ち出せない。「いつもこういう大事な試合でうまくいかないことがあって、ちょっと気持ちが入り過ぎて硬くなってしまって、自分のミスが多くなってきた」ことも感じていたため、「自分がやるべき仕事として最後まで体を張って守る所を意識して、他はみんなに任せてやっていました」と自身の中で気持ちを切り替える。後半23分には冨山がスーパーなゴラッソを叩き込み、関東一が先制。終盤はギアを上げ続ける駒澤大高に対しても、「自分はああやって放り込まれたのを跳ね返すように、バチバチやる方が好き」という鈴木と、成長著しい石島春輔のCBコンビを中心に高い集中力でゴールに鍵を掛け続け、見事にシャットアウト。小野監督も「今日の守備に関しては非常に満足しています」と試合後に評価したように、とりわけ後半は守備の安定感が際立った。その勝利に「うまく気持ちを大きく切り替えられて、最後の所を守ったり、競り合いの部分でもミスを少なくできたので、後半からは良かったと思います」と口にした鈴木が大きな役割を果たしたのは言うまでもない。
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