[選手権予選]突破力備えたコントロールタワー、藤枝明誠MF丹羽「自分がボール持ったら期待してほしい」
ゲキサカ / 2016年11月4日 0時30分
[11.3 全国高校選手権静岡県予選決勝T1回戦 浜名高 0-4 藤枝明誠高 藤枝市民G]
ボールキープには自信がある。4-3-3システムを組んだ藤枝明誠高はインサイドハーフの一角を務めた10番MF丹羽一陽(3年)がゲームを支配していた。精度の高いキックをサイドアタッカーへ配球しつつ、中央にスペースができると見るや、ドリブルで大きく前進。藤枝明誠は両ワイドの選手が幅を取ってポジショニングをしていたが、これが丹羽の能力を最大限に引き出していた。
丹羽自身、「自分のスペースを消さないように」周りを動かしている部分もあるという。個で中央を破る自信があるからこそ、自分のスペースを作り出してそこをドリブルで強襲。特に前半はパスの配球の良さも光っていたが、彼やFW遠野大弥(3年)らが中央から持ち上がるドリブル、ワンツーが効果を発揮していた。そして後半にはスルーパスをPAへ通して4点目の起点に。終盤は構えて守る相手に対してチームが突っかかる形となってしまい、不要なボールロストからカウンターを食らうシーンも。松本安司監督から「もっとゲームの流れを読んでもらいたい」と苦言を呈されていたが、それでも気の利く動きを見せたMF田口滉太(2年)らに支えられた10番は存在感あるプレーを続けていた。
名古屋グランパスU15から高校進学時に母親の実家に近く、自分自身の好きなサッカースタイルだったという藤枝明誠での挑戦を決意。「身体がちっちゃくてずっと言われて来て」というMFは、1年時からひたすら1対1のスキルを磨き、ボールタッチや相手の間に割って入っていく部分で差をつける選手になった。
その武器は「(見る側の人は)パス、ドリブルも、シュートも自分がボール持ったら期待してほしい。自信あるので」と言い切るほどだ。憧れの選手は日本代表MF清武弘嗣。「危ないところでボールを受けて、前向いてチャンスメークする。自分で点取れますし、目標にしています」という存在のように、高い攻撃力を武器に7年ぶりVを目指す藤枝明誠の10番はチャンスメーク、ゴールの部分でもチームに貢献して全国舞台に立つ。
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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