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[MOM2014]富山一FW本村比呂(3年)_亡き父と支えてくれる母へ恩返し弾、スランプ乗り越えたストライカー

ゲキサカ / 2017年1月9日 9時21分

スランプを乗り越え、全国舞台でゴールした本村

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 富山一4-1那覇西 ニッパツ]

 支えてくれる人への想いを胸にピッチへ立つ。富山一高(富山)は那覇西高に4-1で勝利し、3回戦進出した。3-0とするゴールを決めたのは9番を背負うFW本村比呂(3年)。大会直前には不振に苦しんでいたFWが力強い突破からゴールネットを揺らした。

 2-0の前半34分に本村にチャンスがやってきた。MF多賀啓志朗(2年)のパスを受け、右サイドから強引に持ち込んでいく。相手二枚を背負っていたがものともせず。コースを見極め、右足を一閃した。狙い澄まされたボールはGKの指先を抜け、左サイドネットへ決まった。

 試合後、本村は「去年の選手権での小川航基(当時、桐光学園高・現磐田)選手の青森山田高戦のシュートを何度も見ていて。あれに近かった……ですよね? なので少し嬉しかったです」と少し照れながら振り返った。昨年度大会3回戦・青森山田高戦で小川は右サイドへ抜けながら、逆サイドネットへシュートを突き刺していた。たしかに本村のゴールは、小川の得点に“そっくりな形”。「何度も何度も見ていたので」。脳裏に焼きついていたシーンを大舞台で再現した。

 堂々のプレーをみせた富一の9番だが、選手権富山予選後にはスランプに陥っていた。全国出場が決まっての気の緩みからか、ボールを収めることができなくなった。「運動量が確実に落ちて、前から全く守備にいけず。自分は守備から入って攻撃にいくタイプなのに、それができなくなり、自分のところにボールが来なくなって、だめだなと思いました」と言うとおりだ。「何をやっても上手くいく気がしなくて、何をすればいいかもわからない」。気持ちがついていかず、プレーが冴えない日々が続いた。

 すると、選手権の開幕約3週間前に大塚一朗監督に呼び出された。そこで言われたのは「それで後悔なくやれるのか?」という言葉。加えて「お父さんのためにサッカーをやるんじゃないのか?」と問われた。その一言にハッとした。

 本村が中学生のとき。父・昌夫さんが名古屋へ単身赴任中だったこともあり、強豪校や強豪クラブには所属していなかった。それでも父から「高校はお前の好きなところにいっていいぞ。サッカーをやるんやったら、中途半端に強いチームではなく、全国優勝を目指すようなチームにいきなさい」と言われ、「それなら富一しかない」と決意した。

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