[新人戦]「大事な場面で点が獲れるFW」に!選手権8強の滝川二は苦戦も、1年生FW中森が決勝点:兵庫
ゲキサカ / 2017年1月30日 7時20分
[1.29 兵庫県高校新人大会準々決勝 滝川二高 1-0 明石商高 県立西宮高G]
兵庫県高校サッカー新人大会の準々決勝が1月29日に行われた。今冬の全国高校選手権でベスト8入りした滝川二高と明石商高の一戦は、後半30分に交代出場FW中森翼(1年)が奪った決勝点によって滝川二が1-0で勝利し、準決勝進出を決めた。
疲労などを考慮し、前日に行われた3回戦の市立西宮高戦から攻撃の選手を多数入れ替えた滝川二だったが、立ち上がりから縦への推進力を活かした攻撃を展開。2分には相手のクリアミスに反応したMF朴光薫(2年)が強烈なミドルシュートをお見舞いするなど積極的にゴールを目指した。16分には左サイドからDF山本幸輝(2年)が入れたロングスローに、攻撃陣がゴール前で反応。こぼれ球をMF日野公貴(2年)が押し込もうとしたが、シュートは枠を捉えることができない。以降も惜しい場面を作ったが、「『新人戦は必ず獲るぞ』という気持ちが強くて、焦ってしまった」(MF朴)ことが仇となり、前半だけで11本のシュートを打ちながらも、均衡が崩せないまま時間が過ぎた。反対に34分には前がかりになった隙を突かれて、明石商FW松下寛治(1年)に決定機を与えるなど、肝を冷やす場面も見られた。
後半に入ってからも嫌な流れは変わらない。7分には途中出場のMF加藤広康(2年)が味方とのコンビネーションで3列目から飛び出してPA左外でFKを獲得すると、MF稲田丈太郎(2年)が低い弾道で直接ゴールを狙ったが、GK稲田悠人(2年)の好反応に阻まれた。以降も主将のDF春名雄大(2年)と尾嵜凱(2年)のCBコンビを中心にゴール前で身体を張った守りを続けた明石商の守りを崩せず。決定機が訪れても、「まだ選手の自信がないんじゃないかと思うし、昨年から出ていた選手もこれまで3年生に頼っていた部分も出てしまった。気持ち的に焦ってしまうのは仕方がないが、技術が足りなかったように思う」と松岡徹監督が振り返ったように、ミスが響きゴールネットを揺らせなかった。
残り時間もわずかとなり、大金星が見え始めた明石商の勢いが増す中で、苦境を断ち切ったのは1年生ストライカーのFW中森だった。前日はスタメン出場を果たしながらも、この日はベンチスタート。後半9分からピッチに解き放たれると、「絶対に結果を残してやろうと思っていた」と武器である肉体の強さを活かして、相手DFをかき回した。21分にフリーのチャンスを逃すなど、気持ちが空回りする場面もあったが、30分、左サイドでMF井上颯人(2年)のパスに反応すると、切り返しでDF2人をかわしてゴール前に進出。GKの位置を見極め、冷静に決勝点をゴール右隅に流し込んだ。
決勝点を奪った中森はルーキーイヤーから出場機会を掴んだように、指揮官から高く評価される存在だ。入学当初はBチームでも出場機会を掴めずにいたが、総体予選後に出場機会を増やすと、夏以降はAチームに定着。選手権予選決勝と、佐賀東高と戦った選手権全国大会3回戦で得点を奪うなど、存在をアピールしてきた。今季は下級生ながらも主力として期待されており、「先輩は大事な場面で点が獲れるFWばかりだったので、自分もそういう選手になりたい」と口にする。この日は有言実行を果たす形でチームの勝利に貢献。昨季同様に県内3冠を目指す滝川二のキーマンとして、残り2試合での活躍にも期待できそうだ。
(取材・文 森田将義)
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