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[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]:スマイル・アゲイン(駿台学園高)

ゲキサカ / 2018年5月18日 22時11分

 猪田が「自分たちはT1になった代を見て入学してきたんです」と語ったように、3年前の駿台学園は都内のトップディビジョンに当たるT1リーグ(東京都1部リーグ)に所属していたが、奮闘及ばず1年での降格を余儀なくされる。続くのは明確な結果の出ない日々。「そうなると選手たちもやっていることを疑いますし、自分たちも疑っていましたし、良い方向には転ばなかったですね」(大森監督)。トーナメントでもリーグ戦でも自信の得られる成績は残せず、難しい時期を抜け出せない。いつしか苦笑の数が増えていった大森監督にも、そしてチーム自体にも、“らしさ”が消えつつあるように感じていた。

 復調の兆しが見え始めたのは昨年の夏。選手権で一次予選に回ったこともあり、指揮官もチームもようやく何かが吹っ切れた。「今までもいろいろなことをいっぱい言われてきたんですけど、『まあウチはウチでいいのかな』と思ったんです」(大森監督)。一次予選を勝ち抜くと、二次予選でもブロックベスト8まで勝ち上がる。最後は國學院久我山に惜敗したものの、一定の結果が出たことで、積み上げてきたものへの確信が甦った。年が明けて臨んだ関東大会予選での躍進を、大森監督はこう考えている。「卒業していった子たちが悪かった訳ではないと思うんです。あの子たちがいっぱい苦しんで、経験してきて、それが僕たちの財産になって、今ここに繋がったんだと思っているので、それは良かったと思います」。苦しい数年間を共有した“卒業生”たちへの感謝は尽きない。

 関東大会の出場権を巡る準決勝の相手は帝京高。「格上相手なので試合前から何も失うものはない感じ」(猪田)でゲームに入ると、前半17分に先制を許すが、36分にはチームメイトの負傷を受け、前半の内に途中投入された三澤崚太がヘディングでゴールを陥れ、この試合もハーフタイムを前に追い付いてみせる。

 後半も一進一退。帝京のシュートがポストに当たれば、駿台学園のシュートもクロスバーを叩く。同点で推移する緊迫したゲームの流れと対照的だったのは、楽しく声を出し続ける駿台学園の応援団。「どんなに相手の応援団が多くても、それに張ってやってくれるので力になりますね」(猪田)「スタンドの目は厳しいです(笑) それもみんな仲良いからじゃないですか」(布施谷)「応援がガッと聞こえると自分たちはもうアガってくるので、アレは大きいですね」(大野竜之)。ピッチの選手たちも、その声援がもたらす力は十分過ぎる程にわかっている。

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