ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜、W杯日韓共催…今、明かされる平成サッカー史の舞台裏
ゲキサカ / 2019年4月15日 14時38分
―フランスW杯予選ではアジア第3代表決定戦の開催地がマレーシアのジョホールバルに決まったのも偶然の産物でした。当時のアジア枠は3.5。アジア最終予選は5チームずつの2グループに分かれていて、日本はB組の2位で第3代表決定戦に回ることになりました。
小倉 A組はイランと競っていたサウジアラビアが1位、日本のいたB組は韓国が1位で抜けて、第3代表決定戦で対戦するのはイランと日本でした。これも偶然と言えば偶然で、僕はマレーシアのクアラルンプールでやりたいと思って一生懸命電話したけれど、その日にマレーシアカップがあってクアラルンプールのスタジアムはどこも空いていなかった。ところが、マレーシアカップで先週負けたチームのスタジアムが空いているよと。それがジョホールバルでした。イランの会長にも電話しましたが、「マレーシアに行くのは問題ない」と。むしろ「バーレーンより全然いい」とまで言ってくれました。あとになって分かったことですが、これには宗教上の問題も関係していたのかもしれません。同じイスラム教でもサウジアラビアはスンニ派が多く、イランはシーア派の国。バーレーンは数の上では少数派のスンニ派が国の実権を握っていて、イランとは決して良好な関係ではなかったらしいんですね。
―そうして決まったジョホールバルで日本は初のW杯出場を決め、「ジョホールバルの歓喜」としてサッカーファンならだれもが知っている地名になりました。
小倉 すごくいい試合で、最後はゴールデンゴールで決着したんですが、イランの選手はゴールデンゴール方式に慣れていなかったんでしょうね。試合前に説明したとは言っていましたが、選手にうまく伝わっていなかったんだと思います。岡野選手のゴールが入ったとき、イランの選手はボールを取りに行って、センターサークルに置いて試合を続けようとしていたんです。僕はスタンドで試合を見ていましたが、ビックリしてすぐに下りていって、マッチコミッショナーを探したら、彼も気づいていてピッチに向かって「もうおしまいだよ」と。イランの選手はまだ残り時間があると思っていたんだと思います。翌朝、起きてビックリしたのは、隣のホテルに泊まっていたイランチームがもう練習をやっていたことです。第3代表決定戦に敗れたイランは1週間後に大陸間プレーオフが待っていました。ホーム&アウェー方式でオーストラリアと対戦し、イランが最後の切符をつかみました。
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