力強く引き寄せた選手権日本一とシーズン3冠。青森山田が辿った“伝説のチーム”への軌跡
ゲキサカ / 2022年1月10日 19時35分
[1.10 選手権決勝 大津高 0-4 青森山田高 国立]
タイムアップの瞬間。普段から厳しい表情を崩さない指揮官も、流れる涙を抑えることができない。なかなか日本一に届かなかったこの3年間の、今まで積み上げてきたこのチームでの思い出が、次々と脳裏に甦ってくる。
「今年の大会というのは100年の歴史を刻んできた、本当に歴史的に大きな大会でもありましたし、まだまだコロナが収束しない中でいろいろな方たちのご尽力があって、初めて開催された大会でもありますし、チームも選手もスタッフも、保護者も学園も含め、いろいろな方たちが支えてくれて、このタイトルというものがあったと思います。先日逝去された小嶺先生のご尽力という部分に関しても本当に敬意を示しながら、いろいろな部分がいっぺんに走馬灯のように頭の中によぎってきた、そんな一瞬だったと思います」(青森山田高・黒田剛監督)。
インターハイ。高円宮杯プレミアリーグEAST。そして、高校選手権。目標に掲げてきた3冠の達成で、2021年度の青森山田高(青森)は“伝説のチーム”として後世に語り継がれるだけの資格を十分に有することとなった。だが、彼らの1年間も、もちろんすべてが順風満帆に進んできたわけではない。
不安を抱えた開幕戦。課題を突き付けられた初黒星。土壇場まで追い込まれた夏の決勝。相次いだ主力選手の離脱。そして、プレッシャーに苛まれた選手権。数々の苦境を乗り越え、ようやく辿り着いた3冠だからこそ、余計に大きな価値がある。
4月。昨年度から全員が入れ替わった守備陣は、なかなか自信を掴めないプレシーズンを過ごしていた。強豪相手に失点を繰り返し、黒田剛監督も「我々がどれくらいやれるかというのは未知数だし、不安要素はいっぱいある」と口にしていた中で迎えた、プレミアリーグ開幕戦。浦和レッズユースとの一戦で、しかし青森山田は4-0という完勝を収める。
守備陣はきっちり無失点。攻撃陣も前年度の選手権では出場機会のなかった、FW渡邊星来(3年)とMF田澤夢積(3年)が揃ってゴール。意外にも右足でのミドルシュートで得点を奪ったMF松木玖生(3年)も、「初戦としてはでき過ぎかもしれないですね。チーム全体に勢いが付いた今日の試合だったかなと思います」と笑顔を見せたように、この1試合がチームにもたらした自信は、シーズンを振り返る上で語り落とせない。
6月。チームは公式戦初黒星を喫する。インターハイ予選もきっちり制し、開幕8連勝を目指して臨んだプレミアリーグのホームゲームで、柏レイソルU-18に3ゴールを献上し、2-3で競り負ける。翌週のFC東京U-18戦でも先制を許し、ドロー決着。被シュートゼロの試合も少なくなかったチームが、失点を重ねた思わぬ停滞。夏の全国に向けて、小さくない不安材料を突き付けられることになる。
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