JFA田嶋幸三会長、退任会見で任期8年間を回顧「森保監督を信じて戦った」「院政を敷くつもりは一切ない」
ゲキサカ / 2024年3月23日 19時2分
私の任期の半分はコロナの時代だった。100年に一度、しかも私が真っ先にかかった。そういう意味では『サッカー界から次に出ても心配ないな』というふうにできたんじゃないかなと思っています(苦笑)。自分が入院中に考えたのは、コロナの中で部活動ができない、サッカースクールができない、Jリーグもみんな試合が止まった中、絶対にサッカーの火を消してはならないということだった。47FA、チーム、スクールを潰してはならないということ、そして代表強化を止めてはならないとこと。代表強化は21年の10月、11月は(日本国内の選手が海外渡航措置の対象とされたため)いち早くヨーロッパでプレーしている選手だけで行った。ヨーロッパでプレーしている選手がGKはじめ、CBから全部いるということ自体、日本のサッカーが変わった証だと思うが、それをしっかり4試合できた。またクラブやスクールを救うための5億円の融資を20年の5月の連休明けにすぐに行えたことは日本サッカー強化への地力がついてきたということだと思う。
コロナ禍で良い決断ができたのは、ここ(新JFAハウス)に移ってくる決断ができたこともそうだった。2002年のレガシーとして悲願の自社ビルを持つということでJFAハウスを持ったが、コロナによって空きが多くなったことで売却をする決断ができた。これはたまたまだが、コロナ禍で蓄えてくださっていた予算を使った結果、不動産の価値が上がっていた時期だったので、それを埋めて余りあるお金が入ってきた。そして30年を超えるあのビルの維持管理費と同じくらいでこういうビルに入れた。身軽になれて良かったと思っている。今後はどうなるかは次の世代の方が決めることだが、コロナ禍があった中で良かった面もあったと思っている。
ただ残念ながら自分がやりたかったけどできなかったことがある。それはガバナンスのこと。ゼロトレランスで暴力や暴言をなくしたいと進めてきたが、残念ながらそれはまだ残っている。ただ、それも我々がそういうものをしっかりと監視して、なくそうという努力をしているから出てきていると思っている。膿は出し切りたいと思っているし、今後もそれはやっていきたい。また2021年に100周年を迎えたが、100周年事業のために蓄えていたお金でFIFA総会を日本で開催しようとしていたが、それを開催できなかったことは残念なことであった。
それでも新理事会はスポーツガバナンスコードを全て満たしている。また理事の人数が半数になった。そしてシーズン制が変わった。様々なことを変革をしてきた。これは大革命です。ただそうした改革、革命には反発が出てくるもの。面白くない人もいるはず。でもこういう時には怯むことなく、前に進めていく必要がある。
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