JFA田嶋幸三会長、退任会見で任期8年間を回顧「森保監督を信じて戦った」「院政を敷くつもりは一切ない」
ゲキサカ / 2024年3月23日 19時2分
任期中にはWEリーグを立ち上げた。ちょうどコロナ禍で賛否があった。女子のプロリーグで成功しているところはほとんどない。プレミアリーグの女子は莫大なプレミアリーグの収入に支えられて女子がある。独立してWEリーグを運営できるかというと、そう簡単ではない。女子のサッカーをしっかり支えていくことは、JFAのみならずJリーグも含めて、多くのところでやっていかないといけないし、女子のサッカーを発展させることは、日本サッカー、男子のサッカーにも通ずると思っている。そのことは今後も続けていってほしいと思っている。
そしてインターハイの固定開催も始めた。これはJヴィレッジで行うことになるが、福島の復興を我々は全面的にサポートしていきたいと考えている。その象徴になるのはJヴィレッジの復興だと思っている。Jヴィレッジは1997年、当時ヨーロッパに拠点がたくさんあったものを真似て日本も作ろうと考えた。最初はハードの面が中心だった。そこにアカデミーができ、クリニックができ、世界に誇れる一人前のフットボールセンターになったと思っている。2011年の東日本大震災によってサッカーではない目的で使われるようになったが、それは当時は仕方ないことだった。それが復興され、アカデミー女子が帰還し、全てが元に戻り、むしろその時以上に室内のサッカー場であったりクリニックが充実している。そこを中心に発展させなければいけないと思っている。
そして大仁(邦彌)会長の時に代表チームを中心とするフットボールセンター(現・高円宮記念JFA夢フィールド)を作ろうということで決定し、我々がお金を積み立ててきた。幕張にその場所を決め、作るにあたっては40数億円を使い、代表チームだけが使うというところの議論はあったが、作って本当に良かったと思っている。あれがなかったらカタールW杯予選を突破できたか、僕は疑問だと思っている。あそこでリカバリーすること、あそこで準備すること、その中にはヨーロッパの一流クラブで備えられているような施設がある。またこれはプライスレスだと思うが、日本代表の森保チームのスタッフも、池田太の女子チームのスタッフも、フットサルも、ビーチも、ユースの育成のコーチもあそこに集って常に話し合いができる、そしてレフェリーもいる。そういう環境があることが日本のサッカーが発展していく原動力になると思っている。
ありがたいことにこの8年間、これから負けることもあるかもしれないが、日本はすべてのW杯で予選を突破し、本大会に出場してきた。男女(A代表)、五輪、フットサル、ビーチ、U-20、U-17。その中で唯一、アルゼンチンの大会(昨年のU-20W杯)だけは1次リーグで敗れてしまったが、あとは全てトーナメントに残っている。このようなことを30年前、40年前に想像できましたか。W杯に出ること、予選を突破することにいっぱいいっぱいだった日本。それが全て予選に勝ち、トーナメントにも出るようになった。これは世界でも類を見ないと思っている。たとえばドイツだってビーチ、フットサルがそれほど強いわけではない。ブラジルくらいかもしれない。我々はそういった総合的なサッカーの発展に尽くしてきたことを忘れてはならないと思っている。
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