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日本代表強化、女子W杯招致、商業的価値の向上…JFA宮本恒靖新会長が目指すその先のサッカー界「もっと広い価値観をみんなで作っていけたら」

ゲキサカ / 2024年5月23日 7時42分

——育成年代で実際にプレーしていたり、指導していたりする読者はその点に課題感を持っている人も多いと思います。現状ではどういったところにボトルネックがあると捉えていますか。
「まずは物理的に移籍が難しいことがありますよね。例えば、高校選手権の大会要項の中の参加資格に『転校後6か月未満の者は参加を認めない』というものがあります。また移籍するためのチームがないという問題もあります。チームを移ることには心理的な挫折感という要因もあるかもしれませんし、いろんな事情や背景があると思っています。現実は簡単じゃないですが、まずは『移籍するというキャリアもあるよ』というのが当たり前に語られるようにしていきたいですね。そういった情報がまだまだ少ないので、まずは情報を伝えていくことが大事だと思っています」

「サッカーで代表やプロを目指してきた人たちが、その後、エンジョイでサッカー続けながら、一人の人間として社会でのキャリアを歩み、その先でサッカーに投資するような立場になるかもしれないし、サッカーを支える人になるかもしれない。そんなもうちょっと多様性と厚みのあるサッカー界にしていきたいなと。いまの日本サッカーを取り巻く環境は見た目で言うと、選手としてのキャリアが太く見えて、それ以外は無数の細いキャリアがあるように見える感じですよね。いろんな道がたくさんあって、みんなでサッカーを支えているということが見えるようになればいいなと思います。抽象的で申し訳ないですが……」

——いえ、当事者にとってはとてもリアリティのある話のはずです。特に元トッププレーヤーの方がサッカー協会の会長としてそこに問題意識を持っているというのは大きな意味のあることだと思います。
「それが日本サッカー協会の役目だと思いますし、今までとは違うとまでは言わないですが、もっと広い価値観をみんなで作っていけたらいいなと思いますね」

——そういった点では育成に話を戻すと、グラスルーツの指導現場についても変化が必要だという話を以前していました。
「それは重要だと思います。例えば、ある4種の試合でコーチの方が相手チームのGKを『ナイスキーパー!』と褒めた場面があったのですが、それが他のコーチにも広がって別の選手がいいプレーをするとまた褒めるんですね。選手にとっては、やはり相手チームのコーチに褒められると自己肯定感につながりますし、すると選手はどんどんノビノビとプレーすることができる。たった20分間の中でもどんどん成長すると思います。」

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