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「膝が逆に曲がって…」ロングスローで沸かせた東海大相模DF佐藤碧、涙の負傷交代も胸張る4強「野球部を超えられた」

ゲキサカ / 2025年1月11日 21時10分

左膝を痛めて負傷交代した東海大相模DF佐藤碧(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.11 選手権準決勝 流通経済大柏高 1-0 東海大相模高 国立]

 涙の負傷交代となった。今大会、その“剛腕”から繰り出すロングスローで話題を集めた東海大相模高(神奈川)のDF佐藤碧(3年)。この日も立ち上がりから得意のロングスローでチャンスを演出していたが、前半15分にアクシデントが襲う。

 球際の競り合いで相手選手と膝同士が衝突。「ぶつかったときに膝が内側に曲がった。最初は打撲くらいかなと思ったけど」と、起き上がってプレーを続けたが、前半21分にベンチ前へ下がり、左膝にテーピングを巻いて、再びピッチに戻った。

「テーピングを巻いて様子を見ていた。アドレナリンも出ていて、プレーできていたけど、ステップを踏んだときに膝が逆に曲がって……」。前半28分、再び左膝を押さえてピッチに倒れ込むと、トレーナーから交代を指示された。担架で運び出された佐藤はベンチで左膝をアイシングしながら涙を浮かべていた。

 落ち込む佐藤をチームメイトが慰める中、東海大相模は前半42分にPKで失点。1点ビハインドで前半を折り返した。いつまでも落ち込んでいられない。佐藤は「ここまで来たら仲間を信じるしかない」と気持ちを切り替え、涙を拭って「頼んだぞ」と仲間の背中を押し、後半のピッチへ送り出した。

 すると、後半10分から投入されたFW戸川昌也(2年)が佐藤に負けない飛距離のロングスローを投じ、場内を沸かせた。「自分が試合で投げていたときに(戸川が)『俺にも投げさせてほしい』と言ってきて、一回投げたら同じぐらい飛んでビックリした」(佐藤)。佐藤がベンチに下がり、ロングスローという飛び道具がなくなったと思っていた流通経済大柏にとっては、意外な“伏兵”の登場だった。

 流通経済大柏の榎本雅大監督が「(東海大相模の)ロングスローは警戒していたし、1週間準備してやってきていたが、途中から出てきた選手(戸川)もすごい投げるので選手もビックリしていた」と言えば、MF柚木創(3年)も「そんなに飛ばないだろうと思っていたら(佐藤と)同じぐらい飛んでビックリした」と苦笑いで明かしていた。
 
 佐藤は「自分がいなくなって、相手もロングスローがないと思っていたところで戸川が出てきて、チャンスにしてくれていた。2年生だけど、ありがたい存在だった」とねぎらい、「飛ぶのは分かっていたし、そこは信頼していた。チームのために戦ってくれた」と、ロングスローだけでなく、1トップとして前線で奮闘した後輩に感謝した。

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