『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:キラキラ(前橋育英高・石井陽)
ゲキサカ / 2025年1月16日 19時32分
プレミアでも本来のキャプテンの雨野颯真(現・早稲田大)が離脱した終盤の3試合では、2年生の石井が腕章を託される。「雨野さんがケガをしていた期間に、『誰がキャプテンをやるんだろうな?』と思って監督に聞いたら、自分が指名されたんです」。歴戦の指揮官・山田耕介監督もそのリーダーシップには小さくない期待を寄せていた。
選手権では2回戦で神戸弘陵高に、その行く手を阻まれる。「3年生は本当に弱い代と言われてきた中で、折れずに1つになって頑張ってきてくれて、ここまで連れてきてもらったので、感謝しかないですし、学ぶものが本当に多かった学年でした。その良さは自分たちの代にも取り入れていきたいので、すぐ始まる次のシーズンも、自分の感じたことをしっかり伝えて、さらに強いチームを作っていきたいなと思います」。
試合後のミックスゾーンできっぱりと言い切った石井は、先輩たちの想いも引き継ぎ、いよいよ高校最後の1年へと足を踏み入れていく。
迎えた2024年シーズン。石井は想像通り、左腕にキャプテンマークを巻いていた。「一応投票の結果としてキャプテンになりました。正直、『自分がやるんだろうな』とは思っていましたけど、なってみるとやっぱり責任も発生するので、ピッチ内でも、ピッチ外でも、やるべきことはちゃんとやらないといけないなと思っています」。
入学してから見てきたタイプの違う2人のキャプテンからは、さまざまなことを学んできたという。「涼さんも雨野さんも本当にチームのことをよく考えていたキャプテンだったので、それを2年間見てきたのは良い経験として、自分の中に積み重なっていますね。涼さんは周りにも厳しく言う分、自分もしっかりやらなきゃというタイプのキャプテンで、雨野さんはチームを包み込むというか、『オレがいるからな』という安心感を与えてくれるキャプテンだったので、その2つを組み合わせたキャプテンになっていきたいと思います」。ここから築き上げていくキャプテン像のイメージは、明確に持ち合わせていた。
その話を聞いたのは3月のプレシーズンの時期。まだ背番号は確定していなかったが、もう覚悟は決まっていた。「監督次第だとは思うんですけど、最終学年なので今年は自分が14番を付けて、『日本一の14番』と言われたいので、そこは譲りたくないですね」。プレミアの開幕を目前に控えたタイミングで、前橋育英のメンバーリストが発表される。石井は憧れの徳永涼(現・筑波大)と同じ、『14番のキャプテン』を任されることになった。
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