1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

脊柱菅狭窄症の「馬尾型」は手術が必要になるケースが多い【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月10日 9時26分

【ひどい腰痛も8割治る】#10

 これまで実際の患者さんの実例を挙げながら、腰痛にはさまざまな原因があることをお伝えしてきました。ここで改めて、その中でも比較的多い「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」を取り上げたいと思います。

 背骨は骨、椎間板、神経の3つから出来ています。病名からもわかるように、この病気は、脊柱管(背骨の中心に位置する神経の通り道)が狭窄され、神経が圧迫されることで起こります。

 脊柱管狭窄症には、神経根型、馬尾型、混合型(神経根型と馬尾型のミックス)の3タイプがあります。神経根型は、薬やリハビリなどの保存療法が有効なケースが多い。一方、馬尾型や混合型はそれだけでは不十分で、外科的手術などをしなければならないケースが多くみられます。

 主な症状としては、腰から下のしびれや痛み。背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、太ももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなり、少し前かがみになったり、腰かけたりすると、しびれや痛みは軽減されるのが特徴です。

 また、よくあるのが間欠性跛行(かんけつせいはこう)。これは、歩き始めるとお尻や脚にしびれや痛みが現れ、休むと楽になるが、再び歩き始めるとまた痛みが現れるというものです。

 脊柱管狭窄症が進行すると、下肢の力が落ちたり、肛門周囲のほてりや尿の出が悪くなったり、逆に尿が漏れる場合も。早めの対策が肝心です。

 近年、研究結果から、脊柱管狭窄症の根本原因のひとつに、椎間板の損傷が関与しているということが分かってきました。

 椎間板の加齢変化によって狭くなることや、背骨のずれ(すべり症など)、椎間板ヘルニアなどでも脊柱管が圧迫され、狭窄症になっていきます。

 早ければ16歳前後から始まり、椎間板に損傷(亀裂)が生じ始め、損傷部分からクッション成分の源である髄核(ずいかく)が漏れ出し、椎間板自体が減少。クッション機能が低下することで骨に負担がかかり、骨の変形が始まります。そして骨に変形が生じると、最終的に神経が存在する空間である脊柱管が狭くなり、神経を圧迫し始めるのです。

 この病気は再発することが多いですが、その理由は従来の手術法にありました。飛び出した椎間板ヘルニアを切除し、不安定化している脊椎を固定することで症状を緩和させますが、椎間板のひび割れ自体は修復できていないため、再度ヘルニアが発生する場合があり、それが完治が難しい病気といわれるゆえんだったのです。

 しかし最新の治療法では根本的な治療を行えるようになっており、その代表的な治療法にセルゲル法とフローレンス法という2つの治療法が出てきています。

 次回以降、これらの治療法について説明したいと思います。

(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください