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蓮の実は「心」を養い不眠トラブルによい生薬として使われる【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月26日 9時26分

【健康長寿に役立つ高齢薬膳】

 蓮の実

  ◇  ◇  ◇

 最近、朝起きてもぐっすり眠った感じがしない。夢ばかり見て、目覚めてもスッキリしない………。年齢を重ねるにつれて睡眠の悩みで困っていませんか?

 睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2つの状態があります。レム睡眠では、脳が起きているときと同様に活発に働き、記憶を整理したり、定着が行われているとされています。眼球が急速に動いた状態で、眠りの状態は浅く、夢の多くはこの状態において見ています。一方、ノンレム睡眠では大脳皮質の神経細胞の活動が低下した「脳が休息している」状態です。眼球も活動することなく、眠りは深くなります。

 通常、一晩を通してレム睡眠とノンレム睡眠は90分ごとに繰り返します。ただし、シニアは加齢によってノンレム睡眠は減り、レム睡眠が増える傾向があります。そのため、眠りが浅く、夢を多く見たり、ちょっとした物音や尿意ですぐ目を覚ましやすくなるのです。

 そもそも、加齢とともに昼間の活動量は少なくなるため、熟睡できなくなりがちです。熟睡感がなく、朝からどんより、昼間いつも眠たい、集中力が低下……といった状態はつらいもの。食養生で改善を図りましょう。

 中医学では「心」と呼ばれる臓器の働きが衰えると、睡眠に問題が現れやすいと考えます。心は意識や思考、感情などの精神活動をコントロールする臓器です。心が弱ると、不眠、眠りが浅い、夢をたくさん見る、非現実的な夢をあれこれ見て疲れるといった症状が引き起こされます。また、うつ、落ち込みやすい、不安、無気力、やたらとマイナス思考になるといったメンタルの不調も現れがちです。

 熟睡できないうえに、起きている間もウツウツした状態ではつらいもの。心を養う食材を取り入れて改善を図りましょう。

 おすすめは蓮の実。安眠に絶大な効果があるのです。蓮の花が咲いた後にできる種の部分で、乾燥させたものが食用として販売されています。中国ではおなじみの食材で、中華おこわなどに使われています。

 蓮の「根」の部分であるレンコンも不眠によいのですが、種はよりパワーが高く「連子」という名前で、心を養い、不眠トラブルによい生薬として用いられています。日中の緊張、気持ちの高揚が高くなかなかな寝付けない……というときにもおすすめです。

 落ち込み、うつ、情緒不安定などメンタルの不調全般に威力を発揮します。慢性の下痢や尿漏れ改善にも役立ち、動悸が気になる人にもぜひ取り入れてもらいたい食材です。

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