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「より早い資産形成」を目指すなら〈個別株投資〉がおすすめだが…リスクヘッジのために必ず押さえておきたいこと【人気投資家YouTuberが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月8日 11時15分

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(※写真はイメージです/PIXTA)

より早く資産形成したい場合の選択肢として挙げられる「個別株投資」。ハイリスク・ハイリターンの側面はあるものの、「リスクを低減する方法はある」と、投資研究家の児玉一希氏は言います。児玉氏の著書『株式投資2年生の教科書』より、詳しく見ていきましょう。

「会社」より、成長が期待できそうな「業界」に投資

個別株投資にハイリスク・ハイリターンの側面があるのは否定しません。しかし、より早く資産形成したいのであれば、ある程度チャレンジする価値はあります。

ここでは大まかな私の投資スタンスについて理解していただければ幸いです。

【ポイント1】業界に成長性がある

大前提として、私は長期的に成長が期待できそうな「業界」に投資をします。会社単体を見る前に、もっと上空から全体を俯瞰するために業界を見るわけです。

例えば、今から

・マスメディアに投資をするとして、「新聞業界」と「Web業界」

・日用品メーカーでは「日本の子ども向け業界」と「同高齢者向け業界」

どちらが将来的に売上・利益が伸びそうでしょうか? 明らかに、どちらも後者(Web業界、高齢者向け業界)ですよね。

実際、衰退だといわれている会社の株価は長期では伸びないことがほとんど。株価は企業の利益成長に連動しますので、全体として追い風が吹いている業界に投資したほうが難易度は低いです。会社個別で見るよりも前に、もっと大きな括りである業界を見てふるいにかけて勝率を上げるわけです。

もしあなたがコロナ禍より前から株式投資をしていれば、デリバリーやオンライン通話企業の株価が大化けしたのをニュースで聞いたことがあるかもしれません。業界自体が成長していると、パイが拡大しているので競合企業同士でも一緒に成長することができます。この逆になると、パイの奪い合いで消耗戦になるということ。

ただし、業界の成長といっても「急成長」である必要はありません。多くの人が注目する急成長産業よりも、緩やかに拡大してこの先少なくとも10年、15年後も堅調な業界のほうが長期投資には向いていると思います。

電気自動車やAI、メタバースなど、急成長業界は話題が先行して株価が実態以上に高くつき、実際のビジネスが本格化する頃には上がりにくくなることもあるからです。

「リスクの少ない」投資先の選び方

【ポイント2】高配当・増配株を選ぶ

私のメイン投資はやはり「高配当・増配株」であり、株式投資2年生にもお勧めしています。それにはいくつか理由があります。

■配当を出すほど稼げている

そもそも、企業は必ず配当を出す必要はありません。

まだ赤字のベンチャーやグロース企業(急成長が見込める企業のこと)は、儲けたお金を株主還元せず事業成長にフル投資します。事業投資は企業の規模にかかわらず行われますが、それに加えて毎年配当を安定して出している会社は、「事業としても安定して稼げている=長期で株価が安定しやすい」といえます。

■増配するほど利益成長している

さらに、毎年増配している企業も注目です。増配とは、配当金を前年実績より増やすことを指します。

配当金の原資は会社の利益ですが、前年より配当を増やすということは、普通は利益も増えていないとおかしいですし、長く続きません。

ごく一握りではありますが、配当金も利益も毎年成長している会社があります。長期間利益成長していれば、保有期間が長いほど配当金が増え、株価も上昇トレンドを形成しやすいです。

■業界で一定シェアを持っている

一言でいってしまうと、王道の有名大企業の株を買いましょうということです。

大企業というと成長性がなさそうに思われますが、そんなことはなく、世界に通用する企業が日本にも多数存在します。

もはや「日本の大企業=グローバル企業」なので、豊富なリソースを活用してM&Aを行ったり海外で事業展開したりと、年々拡大しています。

また、国内の通信3社、電力会社、米国のアマゾンやグーグルのように、インフラとしてなくてはならない存在になると、そう簡単に事業が脅かされることはありません。

長期で利益が安定し、キャッシュも潤沢なのでまず倒産などの心配も小さいです。

■配当目的の買いが入り底堅い(株価が下がりそうで下がらない状態)

株式市場が暴落した時こそ、高配当株はインカム目的の買いが入るため下落幅が抑えられ、安定しやすい傾向にあります。長期保有をしているとどうしても暴落期に遭ってしまいますが、それでも下がりにくく安心して保有を続けられます。

最初は「異なる業種」2〜3銘柄の保有でOK

【ポイント3】銘柄・業種を分散する

「卵を1つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。1つのカゴだけだと落とした場合に全部の卵が割れてしまいますが、別々のカゴに卵を分散していれば割れるのは一部で済むということです。

これは個別株投資も同じで、異なる業種の銘柄を持つことで、万が一の事態があってもダメージを分散できます。

例えば、日本の3大メガバンク「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「三井住友フィナンシャルグループ」「みずほフィナンシャルグループ」の銀行株だけに全額投資していたとしましょう。この場合、金融危機が起きてしまうと銀行株は暴落し、大きく資産を減らしてしまいます。

別の例で、トヨタなど海外展開の比率が高い大手自動車メーカーの株ばかりに投資していると、円安局面では収益を伸ばせますが、円高に振れると海外からの売上が減って大ダメージを受けます。

そこで景気変動への強さを加味し、例えば「銀行」「機械」「商社」「自動車」「化学」「通信」「日用品」「電力」といった具合に分散することで、下落リスクを低減することができます。

ただし、何十銘柄にも分散させる必要はありません。最初は異なる業種で2〜3銘柄の保有で問題ないです。

コレクションのように銘柄を大量に持ってしまうと管理ができなくなりますし、1銘柄が急上昇しても全体の資金が微量にしか増えないため、パフォーマンスも悪化させます。

【ポイント4】チャート上で売られ過ぎている時だけ買う

株価を判断する上での基本は「業績」です。プラスして将来の成長性が見えればいいでしょう。ただし、最後の売買判断はチャートで見ます。業績がよかったとしても、そもそも今の株価がそれを織り込んで高くついているケースが往々にしてあるからです。

例えば、2021年に一世を風靡した米国のハイテク成長株。理論上では数十年、場合によっては100年以上の利益を織り込みかなり割高な水準でしたが、結果的に金融引き締めにより暴落しました。

高配当株の仕込み時も、大きく売られている時を狙うといいでしょう。チャート上のテクニカル分析で売られ過ぎのラインにいる銘柄を買いに行きます。

「売り時」は”シンプルな基準”で見極める

【ポイント5】投資する理由を決めて、それが覆ったら売る

投資で最も難しいのが「売り時」。はっきり言って、明確な答えはありません。ファンドで何千億円も運用するような歴戦のプロでも、売り時のよい判断はなかなかできないものです。

もしあなたが個別株投資を1年以上していれば、保有株が急上昇して「まだ上がる!」と思いながら、欲張ったその時が天井でズルズルと株価が下がり、結局利益を取り逃がしてしまったという経験が一度はあるはず。

ただ、株の売却タイミングはいくらであっても利益になっていれば成功だと思います。デイトレで小さな値幅を取りたいのか? 長期で大きく伸ばして利益確定したいのか? 時間軸によっても基準が変わりますし、あまり頭を悩ませないほうがいいです。

それよりも私が売り時の基準として勧めるのは、次の通り。

「投資した理由」があり、それが変わらない限りはひたすら保有

ただし、その投資した理由という前提条件が覆ったら売る

という極めてシンプルなもの。

その時に利益が出ているか、損切りになるかは関係ありません。理由が覆れば、問答無用に「売り」の一択です。

例えば、

・高配当を理由に買ったのに減配になった

・急成長企業だったが業績の成長が鈍化した

・新型コロナ発生時の航空や石油のように、事業環境が悪化し成り立たなくなった

・高値越えのチャートの形をしていたが、下落した

・思わぬ不祥事が出た

・思いがけずその銘柄の注目度が上がり、急上昇した

など、あなた自身が思い描いたプランと違ったことが起きた時に、株を売却し現金化します。利益確定でも損切りでもなく、大事な資金を株から「撤収」させるイメージです。

結果的に間違っていても、「自分で考えてその通りに株価が推移したか?」というPDCAを回せます。そのため、仮に損切りになったとしても、次の投資に活かせるでしょう。

このように「投資する理由」を考えるようにすれば適当に買いませんし、高値掴み(相場の高いところで買ってしまい、その後、値下がりすること)を防げる確率も上がります。

児玉 一希 株式会社RES 代表取締役

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