1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

恐ろしい…「花粉症」や「骨折」が保険適用から除外!?日本人を待ち受ける残酷な未来【医師が予測】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月31日 11時45分

写真

(※写真はイメージです/PIXTA)

年々増加する日本の医療費。2022年には「過去最高額」を更新しました。しかも、少子高齢化による人手不足もあり、医療費は今後も増加すると予想されています。そのようななか、国は「国民皆保険制度」をいつまで維持できるのか……『死に方のダンドリ』(ポプラ新書)著者の奥真也氏が、日本の現状と将来について、医師の視点から分析します。

資産の有無が“長生きの質”を左右する時代に

「嫌なことを言わないでほしい」と思われるかもしれませんが、これからは経済力が長生きの質を決める可能性もあることを知っておいたほうがいいでしょう。

現代は医療技術が発達して、病気になったときの治療の選択肢が昭和の時代と比べて格段に増えました。日本は国民皆保険制度があるおかげで、国民全員が安い医療費で高度な医療を受けられるようになっています。患者さん自身が国内にある医療機関の中から自由に選んで受診できるフリーアクセスの制度もあります。

しかし、これらの制度がいつまで続くかはわかりません。今のように誰もが自由に病院にかかり、治療を選べる状態は長く続かないかもしれないと私は考えています。なぜなら、国の医療費は年々増加しているからです。

2022年の医療費は「過去最高」を更新…人手不足も相まって深刻化が見込まれる

新型コロナの感染拡大に伴う受診控えがあり、2020年は対前年比で1兆円超の減少となりましたが、長期的視点で見れば増加傾向にあります。2022年の医療費は46兆円となり、過去最高を更新しています。

医療の進歩によって新薬や新しい医療機器、医療技術が登場して診療報酬も増額されています。団塊の世代が全員75歳以上となる2025年以降は、少子高齢化による人手不足と相まってますます医療費が膨らむでしょう。

高額医療製品は増え、それを使う人が増えているのですから、医療費は増える一方になります。現在の公的医療制度を維持し続けることがかなり難しくなっているのは疑いようがありません。

そうなると、次に起こるのが個人の医療費負担の増額です。

保険適用される病気も少しずつ限定されていくかもしれません。治療しなければ患者さんが死に至る確率が極めて高い「致死的な病気」については国が面倒を見るが、そうでない病気については、国は面倒を見ないという傾向が強まっていくのではないかと思われます。

「致死的な病気」と「非致死的な病気」の線引き

「致死的な病気」として想定されるのは、たとえば心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、がん、結核などです。逆に「非致死的な病気」として考えられるのは花粉症、皮膚炎、虫歯、骨折、軽度の心不全や狭心症などです。保険適用から外される未来もないわけではありません。

国は保険適用される病気が減らないよう努力を続けてはいますが、いつかは減らさなければ国家財政が立ち行かなくなるのではと思います。そのとき、非致死的な病気を治療するのは自己負担になります。

非致死的な病気の治療が自己負担になった未来では、致死的な病気の治療は侵襲性(身体に傷害を与える可能性)や予後(病気の経過についての医学的な見通し、あるいは余命)のよしあしによってランク付けされるでしょう。

経済力が長生きの質を左右する!?日本人を待ち受ける“ディストピア”

ランクの高いほうから「特上」「並」と2種類あった場合、お金のある人は「特上」を選べますが、そうでない人は「並」にせざるをえません。「特上」の人は身体的負担の軽い最新の手術を受けることができて、入院日数は少なく、退院後の回復も早く、いち早く日常生活に戻れます。

一方、「並」の人は従来と同じで、退院までにある程度の時間を要する開腹手術になります。身体的負担が大きいためリハビリもしなければならず、退院後の回復にも「特上」より時間がかかります。

「特上」の人も「並」の人も、手術は受けて永らえることに変わりはありません。しかし、その後の生活の質に差が出てしまいます。このように、個人の資産の有無が長生きの質を左右する未来がやってきてしまうかもしれません。

奥 真也 医療未来学者/医師・医学博士

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください