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どう生きていけばいいのか…年金夫婦で月10万円、70代〈介護する妻×介護される夫〉の絶望感「おむつすら買えません」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年3月31日 8時15分

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高齢化に伴い、要支援・要介護者は増加の一途。当然、介護する側も高齢化が進み、介護する側もされる側も高齢者という「老老介護」の割合は増えていきます。脆弱な家計であることが多い高齢者世帯では、介護問題に加えて貧困問題が加わることも。そんな状況に陥ったとき、どうすればいいのでしょうか?

3組に1組以上が、70歳以上×70歳以上の「老老介護」

年齢とともに体の自由がきかなくなることは、仕方がないこと。場合によっては、支援・介護が必要になるでしょう。

厚生労働省『令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)』によると、要支援・要介護認定者は689万5,735人。これは日本の人口の5.5%、20人に1人は要支援・要介護ということになります。また65歳以上の高齢者に限ると18.6%、5.3人に1人の水準です。

さらに年齢別にみていくと70代前半で20人に1人の水準だったのが、70代後半では8人に1人、80代前半では4人に1人と、年齢を重ねていくごとに要支援・要介護の割合は増えていくことが分かります。

【年齢別・要支援・要介護者数】

「65歳~69歳」213,316人(2.71%)

「70歳~74歳」539,909人(5.58%)

「75歳~79歳」819,537人(12.21%)

「80歳~84歳」1,435,639人(25.81%)

「85歳~89歳」1,851,648人(47.82%)

「90歳以上」1,905,946人(75.45%)

※(かっこ)内数値は、全人口に占める要支援・要介護の割合

厚生労働省『2022年国民生活基礎調査』で要介護者等から見た主な介護者の続柄を見ると、同居している人が45.9%。その主な内訳を見ると、配偶者が22.9%、子が16.2%、子の配偶者が75.4%。また性別は、男性が31.1%、女性が68.9%と女性が圧倒的に介護を引き受けているケースが多いことを垣間見ることができます。

さらに要介護者等と同居している主な介護者の年齢について見ると、介護する側もされる側も60歳以上の割合が77.1%。さらに共に65歳以上は63.5%、70歳以上が35.7%。年次推移でみていくと、高齢者同士で介護する/されるの、いわゆる「老老介護」は、いずれも上昇傾向にあります。

介護×貧困のダブルパンチ…先がまったく先が見えない「老老介護」の地獄

高齢化が進む、介護の現場。収入の大半を年金に頼る高齢者の割合が多く、収入のすべてが「公的年金」という割合は5割弱です。一方で、厚生年金の平均受給額は月14万円ほど。しかし月10万円に満たない人たちは全体の22.7%、月5万円に満たない人たちは全体の2.0%。低年金な人たちは、少数ではありますが、遠い存在ではありません。

さらに貯蓄も十分になければ、介護費用を賄えないことも。

年金月10万円の70歳以上の老夫婦。夫が要介護になったとしましょう。一般的な高齢者夫婦であれば、1ヵ月の平均生活費は25万円ほど。どんなに切り詰めても、毎月赤字で火の車。そこに介護費用がプラスされるとどうでしょう。

――お金がなくて(介護用の)おむつすら買えない

――どう生きていけばいいのか

老老介護に加えて貧困が老夫婦を苦しめることになります。まさに絶望感……そんな状態になったとき、頼れるのは「生活保護」。しかし「生活保護を受けていたら、介護保険サービスを利用できないのでは」という懸念を抱く人もいるでしょう。

結論からいうと、生活保護受給者でもさまざまな介護サービスや介護施設の利用が可能です。そもそも介護保険サービスを利用するのに、生活保護の受給有無は関係ありません。生活保護受給者は介護保険料が「生活扶助」から賄われ、介護サービスを受ける際の自己負担額は「介護扶助」から賄われます。ただ、各自治体が必要と認めた介護保険サービスに限定されるのが基本で、希望通りにサービスが受けられるとは限りません。

厚生労働省『2022年度被保護者調査』によると、生活保護世帯は161万9,452世帯。そのうち介護扶助のある生活保護世帯は39万7,226世帯で、そのうち高齢者世帯は35万3,898世帯。多くが単身世帯で、2人世帯は2万9,147世帯、3人以上世帯が263世帯、4人以上が17世帯です。

要支援・要介護者に対して、生活保護を受ける高齢者世帯は35万世帯。介護と貧困に直面する人たちは、決して珍しくないことがわかります。

介護負担が大きいことは容易に想像できます。そのうえ介護者が高齢者、さらには貧困となると、八方塞がりになります。まずは役所に相談し貧困問題を解決できれば、本人に必要な介護を受けることができます。

[参考資料]

厚生労働省『令和3年度 介護保険事業状況報告(年報)』

厚生労働省『2022年国民生活基礎調査』

厚生労働省『2022年度被保護者調査』

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