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ブームを追い風に続々登場した新機軸キャンプギア15選【GP AWARD 2020】

&GP / 2020年12月20日 20時0分

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ブームを追い風に続々登場した新機軸キャンプギア15選【GP AWARD 2020】

【特集】GP AWARD 2020

既存メーカーは大量に新製品を投入。さらに新ブランドや他分野からの参入が爆増し、道具を選ぶ楽しさが増えた1年。とはいえ似たような道具はおなかいっぱい。ブームにおごらず新機軸を生み出したギアにこそ拍手を送ろう。

 

■意外なキャンプギアがブームに!

アニメやキャンプ好き芸人の活躍によりキャンプ人気は右肩上がりだったが、春のコロナ禍で「密にならないレジャー=アウトドア」という要素が加わり空前のキャンプブームが到来。休日のキャンプ場予約は争奪戦になっている。

「以前はパッと見てどこのテントかわかったけれど、今はひと目見ただけではわからないほど多種多様。自分色を出すために古いモノ・海外製品を求める人が増えたのでしょう。中でも軍用品は野外で使うことを前提としているからアウトドアとの相性がよく、取り入れる人が増えたのも納得です。そこにソロキャンプブームが乗っかってパップテントがヒットしました」

そう話すのはアウトドアコーディネーターの牛田浩一さん。また、キャンプ道具を自宅で使う「#おうちキャンプ」なる言葉も誕生。ローバー型チェアは自宅でインダストリアルやミリタリーな雰囲気を演出するにも好都合だった。

コロナ禍で勝機をつかんだのは幕やファニチャーだけではない。

「ホットサンドメーカーも大ヒット。どこで火がつくかわからない時代です」

アウトドアコーディネーター・牛田浩一さん
株式会社B.O.W代表。アウトドアブランドのPRやマーケティング、撮影コーディネート、イベント運営まで行う「アウトドアの何でも屋」。1年の1/3はフィールドにいる

 

▼MOVEMENT

ブームが続くと、人とは違うひねりを加えた道具が欲しくなるもの。今年、俄然注目されたのが軍用品や伝統道具、DIY。素材・機能を見直した温故知新な道具が人気を博した。一方でブッシュクラフターが自作していたようなモノも、誰もが体験できるよう商品化が進んでいる。

1. 焚き火LOVERがこよなく愛する幕

ロゴス
「TAKIBI de JINMAKU」(1万890円)

この手の幕を使っている人、本当に多くなりましたよね。実際に使ってみると温かいし、冬キャンプにはいいと思います(牛田さん)

焚き火台のそばに立てて風をコントロールする “焚き火用風防幕”を世に広めた。風で火の粉が巻き上がるのを防ぎ、近くのテントやタープに火の粉が触れる危険を軽減。また、焚き火の熱を反射させる効果もあるので、秋冬キャンプで使うと手放せなくなると話題に。幕帯W90×H90×D86cm

▲張り綱は2本のみなのでサイト内が張り綱だらけにならない。幕はファイバーグラス両面にシリコンコーティングを施しており耐熱温度は500℃。収納してもコンパクトなので、荷物にならない点も高ポイント

 

2. 悩むことなくハンモック泊にトライ

カモック
「マンティス ウルトラライト」(4万3780円)

ハンモックを掛けていい場所を探すのが難しいいけれど、ハンモックテントで遊んでくれるような人がもっと増えるとうれしいですね(牛田さん)

蚊帳付きハンモックとタープのセットで重量はわずか992g。張り綱やハンモックを吊すライン(単体だと6490円)、ペグなどもそろったオールインワンなので、これだけで話題のハンモック泊を始められる。両側に広がるポケットなど使いやすさもピカイチ。全長304.8×幅142.2cm

▲タープはハンモックをすっぽり覆うサイズで、視界と冷たい風を遮断してくれる。 初心者はタープの中心にハンモックを設営するのがなかなか難しいが、自在金具で簡単に調整できるのは助かる

 

3. 名作チェアをリプロダクト

バリスティクス
「ローワーチェア」(2万8600円~3万1900円)

あえて昔からある道具をキャンプに使う人が増えています。もともと座り心地がいいものをさらに改良しているし、雰囲気がいいですよね(牛田さん)

英国軍がランドローバーに積載していたチェアをリプロダクトした“ローバーチェア” が人気に。さらにウレタンパッド入りヘッドレストを設け、座面を低くやや後傾にすることで極上の座り心地に変身させた。折りたたみ式を守りつつ、ロッキングタイプ(4万3780円)も登場している。日本製

 

4. 懐かしい無骨テントなのに驚きの心地良さ

DOD
「パップフーテント2」(3万5200円)

ソロキャンプの盛り上がりと共に、人とは違うことをしたくて軍用品を求める人が増えました。パップテント人気は今年を象徴する流れのひとつですね(牛田さん)

各国の軍が使っていた “パップテント” のシルエットはそのままに、床がなくても虫や風が入りにくい特殊デザインにし、メッシュパネルとメッシュのベンチレーターを搭載するなど、快適に過ごせるように進化させた。ポリコットン製。ひと回り以上大きな「ソロソウルウォウウォウ」も登場している。

▲二重キャノピー構造、そしてサイドに拡張できるようになり既存モデルよりもタープスペースが広くなった。難燃素材のポリコットン製なので、近くで焚き火ができるのも人気の理由だ

 

▼IDEA

もう出尽くしただろうと思えるジャンルの製品でも、開発者のちょっとしたひらめきやユーザーの声などから思いもよらなかった道具が生まれるもの。ともすればバラエティ色が濃くなりがちなアイデア系製品だが、2020年はひらめきだけに頼らず上質な道具に仕立てた道具がヒットした。

5. 2枚は量が多すぎるソロキャンプにぴたり!

4w1h
「ホットサンドソロ」(4950円)

食パン1枚で作るからソロでも味変できるんですよね。よく考えてくれたと感心するばかり。僕の“欲しいものリスト”にも入っています(牛田さん)

食パン1枚を半分に折るという、ありそうでなかった新発想のホットサンドメーカー。あえて焼き面の色をブラックとシルバーのツートーンにすることで、ほかの作業をしているうちにおきる“ひっくり返し忘れ”を視覚的に予防。細かな心配りがいかにも日本製だ。

 

6. 見た目は小さくても切れ味ヨシ

OLFA WORKS
「替刃式 フィールドノコギリ FK1」(2200円)

想像以上に切れ味がよくて、ちょっと使いたいって時にちょうどいい。僕も購入しています。文房具メーカーのフィールド向けギアというのがいいですよね(牛田さん)

学校や職場でおなじみ、オルファの黄色いカッターナイフと同じように刃を繰り出して使うノコギリ。ノコギリ風デザインの刃ではなく、上目を施した本格目立てとなっており、スムーズな切れ味が自慢だ。薄めの刃ではあるが、衝撃焼き入れで耐久性・靱性を備えている。

▲丸太の切断はさすがに厳しいが、キャンプ場でのちょっとしたクラフト作業にはちょうどいい。ポケットに入れても苦にならない大きさと軽さで、徒歩キャンプや山歩きのお供にもぴったり

 

7. 安全に積載できてマルチに活躍

ゴードンミラー
「スタッキング トランクカーゴ 50L」(3518円)

こういうハードケースは丈夫で便利。イスのように座ってもいいし、フタがフラットだからそのままテーブルとしても使えるのもうれしいですよね(牛田さん)

フタの耐荷重は100kgで3段まで積み重ねOK。しかも小物や食器をフタに置いても落ちないフラット形状なので棚、テーブル、イスにもなる。ガレージライフをテーマにしたブランドだけあり、ルーフラックに固定しやすいベルトガイド付き。ほかに容量22L、30L、70Lがラインナップ。

 

8. 市販薪からどっさり極細薪を作れる

37CAMP
「ハチェットスタンド」(1万1000円)

誰でも安全に薪から焚き付けを作れる道具で、非常に良いですよね。だってケガをしたらキャンプが楽しくなくなっちゃうから。やっぱり安全は大事です(牛田さん)

手持ちの鉈をセットすれば、いつもキャンプに持っていく金属製のペグハンマーで楽に薪を割れる。鉈で足先や指を傷つけることがないので薪割り初心者も安心して作業でき、狙った細さに割れるのが気持ちいい。鉈を取り外せば木工作業ができるという機能は拍手!

▲長い薪は途中までしか刃が入らないが、ひっくり返せば最後まで刃が入る

▲本体を倒せば、ノコギリを使わずに薪を短く踏み折ることも可能だ

▼FUNCTION

キャンプ好きの心をくすぐる道具となると、結局のところは「機能」に尽きるのかもしれない。軽くてタフで独創的な機能を持つ道具はやはり美しく、使っているだけで気分は高まる。近年はユーザーの眼識が高まっており、高価だから高機能で良い道具、と称された時代は過去のものとなっている。価格以上の機能が求められたのも今年の特徴だ。

9. 変幻自在の画期的モノポール

ogawa
「タッソ」(4万3780円)

ひとつの幕体で変形できるのは今までになかった機能。人数やスタイルでカタチを変えられるのがおもしろいんです(牛田さん)

3段階に伸縮するメインポールとサイドに設けたファスナーによってカタチが変化するモノポールテント。ガイドロープ付きなのでフロアレスでも微調節は不要で、一発で設営が決まる。最も背が高くなる六角形フロア時には、同ブランドの「ピルツフォークL」に付属するハーフインナーを取り付け可能だ。

▲フロアの形は3タイプで、広い順に八角形、七角形、六角形となる。そしてフロア形状によって入り口を張り出した時のデザインが異なり、同じテントなのに印象がガラリと変わる

 

10. 世界初の隔壁がないのに片寄らない寝袋

モンベル
「シームレス ドライ ダウンハガー 900」(5万1700円~6万4900円)

シュラフ(寝袋)という分野は完成されたと思っていたけれど、命に関わる道具だからこそ開発が続いている。そう実感させてくれた製品です(牛田さん)

寝袋の場合、ダウンが片寄らないよう内部に隔壁を設けて細かな部屋を作るのが定番だが、モンベルは隔壁なしでもダウンが片寄らない寝袋を開発。隔壁がないから思いっきり空気を含んで膨らみ、縫い目がほとんどないため保温性は大幅アップ。防水性、ストレッチ性も高い。

▲特殊な糸“スパイダーヤーン”を寝袋内側に張り巡らせて、蜘蛛の巣のようにダウンを絡みつかせている。一度絡めば押してもダウンは逃げて片寄ることがない。対応気温、サイズ共に2種類ラインナップ

 

11. 水がかかっても漏電しない!

LACITA
「エナーボックスSP」(7万2800円)

テントに薪ストーブを入れるよりも、電気毛布のほうが安心だし十分暖かい。これは水に強いポータブル電源の先駆けで、僕も狙っていた製品です(牛田さん)

最新の電気自動車にも採用されている三元系リチウムポリマー電池を搭載しており、充電効率が高く、ハイパワー。電池寿命が長いのも人気の理由だ。AC出力は400W、安定感のある純正弦波でパソコンや電気毛布の利用も問題なし。W134× H184×D303mm、重量5kg。充電所要時間は約7時間。

▲エナーボックスシリーズの中でもSP (スプラッシュプルーフ)は世界初の防沫仕様。本体内部に特殊ナノコーティングを施しており、濡れても乾かせば漏電することはなく水辺でも安心して使える

 

12. 手軽に高さを変えられる!

ogawa
「ハイ&ローコットワイド」(2万1780円)

爆売れ中のコット。タープ下では高くして、テント内では低くすれば圧迫感なく過ごせます。簡単にそういった使い分けができるのはいいですよね(牛田さん)

脚を追加するのではなく、脚の差し込み口を変えるだけで高さを変えられるコット。ハイ(42cm)とロー(25cm)の2段階に調整可能で、ハイは腰掛けるのも立ち上がるのもラクにできる高さだ。幅71cmのワイド設計で、のびのび眠りたい人向き。重さ約5.2kg、耐荷重120kg。

▲オプションパーツなしで高さを変えられるので、ハイにしたいのにパーツを忘れた!と慌てることがない。脚先はテントのフロアを傷つけにくい球状なのも気が利いている

 

13. 旅の相棒にしたくなる薄型設計

ベルモント
「TABI」(1万1000円)

ソロキャンプブームの波に乗って大ヒット。バックパックに入るくらい薄くて軽いし、 40cmの薪をそのまま使えるところがウケているのでは(牛田さん)

脚と網(ゴトク)はステンレス、それ以外はチタン製で総重量423g。軽さと耐久性をギリギリまで追求。サイドの板を外して長い薪をそのまま置けるなど、小型焚き火台のわずらわしさも解消している。オプションなしで焚き火料理ができるため、コスパも良好だ。

▲片側の側板を外せば、風を避けつつ長い薪を切らずに置ける。火床の耐荷重は15kgで、針葉樹の軽い薪はもちろん、火持ちがよくてドッシリした広葉樹の薪を載せても問題なしだ

▲収納サイズはW360×H15×D178mm。ネジなどを使わず、板を組み合わせてから脚をにはめ込むだけなのだが、板に設けた細かな溝ががっちりかみ合って崩壊する不安はまったくない

 

14. もはやバッグを履く時代

グリップスワニー
「ギアパンツ」(1万780円)

僕はコレのショーツタイプを2着持っています。レジ袋有料化になってからは、パンツがエコバッグがわりになるんですよね(牛田さん)

鉈やハンマーが入る両サイドの大型ポケットの他、全9個のポケットが装備されていて、バッグなしで出かけても困らないパンツ。コットンライクのしなやかなナイロン “サプレックス” を採用しており、着心地も良い。すっきり細めのシルエットで、3シーズン対応。

▲おしりとサイドのポケットはファスナー付きで、大切な小物を入れておける仕様になっている。軍パンよりもポケット位置が高めで、ワーク感は少なく、街でも違和感なく着用できる

 

15. 大きくなった美シェルター

ゼインアーツ
「ギギ-2」(6万5780円)

インナーテントを組み合わせたカンガルースタイルが増えているように、好きなように使えるのがシェルターの良さ。このテントはデザイナーの優秀さが光りますね(牛田さん)

エクステンションポールを使って外側に傾く壁のおかげでワンポールのデッドスペース問題を解消した「ギギ1」をベースにサイズアップ。フルクローズ状態でも家族4人がくつろげるサイズにしたのがこの「ギギ-2」だ。広くなった分2ポールとなったが、設営のしやすさは健在。

▲ドアパネルを大きく跳ね上げればタープのように開放的な空間が生まれる。オプションのインナーテントは正面、横、斜めに取り付けられるなど自由度が高い

>> 【特集】GP AWARD 2020

※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています

<文/大森弘恵>

 

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