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カーモデル製作はボディの塗装から!【達人のプラモ術<NISSAN フェアレディ 240ZG>】

&GP / 2021年7月3日 7時0分

写真

カーモデル製作はボディの塗装から!【達人のプラモ術<NISSAN フェアレディ 240ZG>】

【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/24 NISSAN フェアレディ 240ZG」01/04

戦闘機やバイク、ロボット、スポーツカーなど、さまざまなプラモデルの作り方・楽しみ方を紹介する、プロモデラー長谷川迷人さんによる【達人のプラモ術】。今回からはタミヤから発売されたばかりの「1/24 NISSAN フェアレディ 240ZG」を作っていきます。組み立てからではなくて、塗装から始めるという迷人ならではのテクニックを紹介します!

*  *  *

カーモデルの場合、キットの足回りやインテリアの製作・塗装、そしてボディの製作・塗装という工程で進めるように指示されています。もちろん、指示の順番通りに製作を進めていけば完成するわけですが、今回はより効率的な製作手順で進めていきたいと思います。

インスト(説明書)の手順で製作を進めた場合、足回りやエンジンなどを完成させたのちボディを製作するので、塗装が乾燥するまで作業が止まってしまいます。そこで、先にボディを塗装し、乾燥させている間に足回りやエンジン、インテリア作りを進めておけば、乾燥待ち時間がいらないという理屈です。

そしてもうひとつ。先にボディの塗装がバッチリ決まると製作モチベーションが上がります。というワケで第1回の今回は、ボディ塗装を解説していきましょう。

 

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中

 

■フェアレディ240ZGとは

日本のスポーツカー史を語る上で欠かすことのできない1台がNISSANフェアレディZです。初代S30型は1969年から1978年の9年間でグローバル販売52万台以上という、当時のスポーツカーとしては驚異的な記録を樹立しました。そして1971年11月に国内専用の最上級モデルとして240ZGが登場しました。バンパー一体型のエアロダイナ・ノーズや前後のオーバーフェンダー、ヘッドランプカバーを標準装備し、搭載された2.4L直列6気筒L24型エンジンは高い走行性能を発揮しました。発売から50年たった現在でも国内外の自動車ファンの間で高額で取り引きされ、熱狂的な支持を集めています。

■タミヤ「1/24 NISSAN フェアレディ 240ZG」

今回製作する「1/24 NISSAN フェアレディ 240ZG」は、240ZGのロングノーズ・ショートデッキのファストバック型クーペフォルムを忠実に再現したキットです。搭載された2.4L直列6気筒L24型エンジンは、ツインキャブレターやオイルパン、ミッションなども精密に再現。ボンネットが開閉するので、完成後もエンジンを鑑賞できます。

ウインドモールやヘッドランプカバーのリムはメッキで別パーツ化、また特徴的なデザインのホイールは3分割構成されています。

タミヤは70年代に1/12スケールで240ZGをキット化しています。今回は1/24ですが、最新のタミヤクオリティでキット化されており、組みやすさと塗装のしやすさを重視しているのが大きな特徴といえるでしょう。

▲従来塗装で再現したフロントウインドウやライトまわりのメッキモールは折れにくいABS素材のメッキパーツで再現。シャープでリアルな仕上がりが得られる

▲独特のデザインのホイールは、メッキパーツにインレットデカール(金属シール)を組み合わせることで、塗装の手間が少ない

▲ホイールのリムやエンブレム、ミラーなどはインレットデカールを使い、シャープで、塗装やデカールでは再現できないリアルで立体的な仕上がりを得られる

 

POINT1:まずはボディのパーティングラインを消す作業から

プラモデルは、金型に溶けたプラスックを流し込んでパーツが作られています(タイ焼きをイメージしてもらうと分かりやすいと思います)。そのため、金型の合わせ目の部分にどうしても凸状の接合線(パーティングライン)が生じます。最近は、金型精度が向上したこともありパーティングラインは目立たなくなってはいますが、実車には存在しないラインなのでヤスリで研磨して消す必要があります。

▲ボディの青いライン部分(目立たないのあえて青く書いています)にパーティングラインが入っているので、ヤスリを使って凸ラインを丁重に削る

▲パーティングラインの処理中にAピラー(運転席、助手席の付近にある窓柱)が細く破損しやすいので、矢印のランナーは塗装直前まで切り離さないようにする

 

POINT2:ボディ塗装は缶スプレーで

ボディの塗装ですが、マルーン、レーシングホワイト、ブライトレッドの3色から選べます。今回は、240ZGのイメージカラーでもあるマルーンに合わせて、タミヤスプレー「TS-11 マルーン」を使用してボディを塗装します。缶スプレーを使用するメリットは、「専用色が用意されている」「手軽に塗装ができる」「エアブラシのような機材を使用する必要がない」といった点が挙げられます。

 

POINT3:下地で色の明度を調整する

今回使用する「TS-11 マルーン」は、個人的な見解ですが、やや明るい色調で紫味が強すぎる印象があります。そこで、ボディの下地塗装には暗い赤茶色のオキサイトレッド(戦車などAFVモデルの下地塗装用)のサーフェイサーを使って塗装し、マルーンを塗り重ねることで明度を下げ 箱絵のイメージの色に仕上げていきます。

▲「タイガーⅠ」の製作でも使用したオキサイトレッドのサーフェイサー。本来は戦車などAFVモデルで使用する下地塗料

▲ボディカラーのマルーンとなるパーツはまとめて下地のオキサイトレッドで塗装しておく

 

POINT4:缶スプレーは最初から一気に吹かない

カーモデルの場合、缶スプレーは一気に塗るのではなく、塗装→乾燥→塗装といった具合に、数回に分けて塗り重ねていく(今回は3回、色によって塗り重ねる回数は変わります)のがキレイに仕上げるコツです。一気に色を乗せると塗装が垂れる、泡を吹くといったトラブルの原因にもなります。また、缶スプレーはラッカー系なので塗装の際には換気に気を使ってください。さらに、湿度が高いとカブる(塗装が曇る)ことがあるので、塗装は晴れた日に行うのがベストです。

▲マルーンを一度塗装した状態。この段階ではツヤを意識せず30cmほど缶を離して塗装する。塗装面はザラザラでかまわない

▲10分程乾燥させたら2回目を塗装。1回目と同じく30cmほど缶から離して塗装する。目安として1秒で20cmくらいのスピードで缶を動かしてボディ全体を均一に塗り上げていく

▲3回目が本塗装。今度は缶を15~20cm程度までボディに近づけて、1・2回目より速いスピード(1秒で30cm程度)で缶を動かして塗料を吹き付けていく。イメージは吹きつけると言うよりも、塗料を乗せていく感じ

▲一気に塗料を吹き付けたため塗料が垂れてしまった状態と、塗膜が厚くなり塗料に含まれるガスが揮発しようとして泡になってしまったため、表面にアバタができてしまった状態。※画像はイメージサンプル

 

POINT5:裏技!5円玉スペーサーを使う

缶スプレーはエアブラシのように塗料の吹きつけ量を任意で調整できません。吹き付けでは一気に塗料が出るので慣れないとついつい吹きすぎて、鏡面仕上げになってくれません。どうしても吹き過ぎてしまうならば、裏技として缶のノズルに5円玉を1枚はさむといいでしょう。

5円玉の厚み分ノズルが下がらなくなるので、塗料の吹き付け量を3分の2程度に減らせます。塗装は、ボディから20~30cm離して必ず一方向(右から左、上から下といった具合)に缶を動かして塗装します。缶を往復させて吹くと折りかえしの部分だけ塗膜が厚くなってしまってムラの原因になります。

▲缶のノズルを外して5円玉をスペーサーがわりに挟み込めば塗料の吹き付け量を減らせる。ノズルを取り付ける際には、塗料が出ないように指でノズルの穴を押さえて取りつける

▲左側が5円玉スペーサーを使って20cmの距離から吹いた状態。右側はスペーサーなしで吹きつけた状態。塗料の吹き付け量が少なくなっているのが分かる

 

【達人流!塗装のポイント】

塗装したボディは、表面的には1時間もあれば乾燥しますが、まだ塗膜が柔らかいため、傷や指紋をつけてしまうというトラブルが起きてしまいます。溶剤が揮発して塗膜が硬くなるまでに常温であれば最低でも24時間、理想的には3日以上乾燥時間を取りましょう。焦らずに乾燥させ、その間にエンジンやインテリアを製作していきましょう。

▲缶スプレーのマルーンで塗装が完了したボディ。このあと外装が完成したのち、クリアーでオーバーコート塗装することでさらに光沢を出していく

*  *  *

次回は、リアルに再現された2.4L直列6気筒L24型エンジンとインテリア塗装のポイントを紹介していきます。

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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