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タイトな設計のエンジン周りは仮組み&調整必須!【達人のプラモ術<タダノ ラフテレーンクレーン>】

&GP / 2024年3月30日 7時0分

写真

タイトな設計のエンジン周りは仮組み&調整必須!【達人のプラモ術<タダノ ラフテレーンクレーン>】

【達人のプラモ術】
ハセガワ
「1/35 タダノ ラフテレーンクレーンGR-130NL/N クレヴォ mini G4」
02/06

ハセガワ「1/35 タダノ ラフテレーンクレーン」、最新の建機モデルということもありますが、売れています。聞けばモデラーだけではなく、実車のドライバーやクレーンオペレーターの方が買っていくそうです。さて、製作第2回となる今回はエンジン周辺を製作、シャシーを完成させます!(全6回の2回目/1回目

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

■仮組み必須! エンジン周辺部の製作

今回は前回に引き続き、シャシーとエンジン部分を製作していきます。全28工程ある製作工程の工程8~10となります。キットはタダノのラフテレーンクレーンを徹底的に実車取材していることもあって、複雑なディテールのエンジンの周辺機器も細部までしっかりと再現されています。

パーツの精度も高く、4面合わせの箱組みパーツも内側にリブが入っており、ピタリと組み上がるのはさすがハセガワといったところです。

ただ惜しむらくは、インストの工程6から続く足回りやエンジン回りの機器パーツの取り付け位置が分かりにくい。またパーツの取り付け穴とピンがタイトすぎるため、塗装した場合、塗料の厚みでピンが上手く収まらなくなります。そのため、仮組みでパーツの取り付け位置確認とタボ穴を広げるといった調整が必須作業となります。

特に今回は車体色を黄色にしたため、下地色となる白、そこに黄色を3~4回程度塗装→セミグロスクリアーでのオーバーコートと塗装を重ねていることから、通常塗装に比べて塗膜が厚くなっているため、パーツを組みつける際のすり合わせ調整が欠かせません。

▲車体上面に取り付けが指定されているフロントメンバーは、取り付けのスリットがタイトすぎて塗装した状態だとパーツが上手く収まらなくなってしまう。そのためフロントメンバーの接着タボ(矢印の部分)を薄く削る必要がある

▲ラッタル(はしご)を取り付けるタンクは白帯が塗装指定されているが、パーツA10のナンバープレートと合わせて、白のフィニッシュシートをカットしたものを貼り込んでいる。塗装より手間がかからずキレイに仕上がる

▲パーツK14とK15で組むパーツ(矢印の部分)は、ディーゼルエンジンで欠かせないアドブルー(尿素水:排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を窒素と水に分解する)のタンク

▲工程6で取り付けるアウトリガーの基部(パーツF3・F5・F6・F7・F8)や行程9で車体に取り付ける機器類は「マーキング及び塗装部を参照してください」となっているのだが、正直、塗装図を見てもよく分からないので、完成見本の画像等を参考にしながら仮り組みをして角度や位置を決めた方が良い

▲シャシーにエンジン機器の取り付けが完了

 

■塗装後のパーツの擦り合わせを忘れずに

次回製作するクレーンの旋回台パーツを黄色に塗装しているところですが、画像左側が2回塗装を重ねた状態、右側が3回塗り重ねた状態。2回の方はエッジ部分で下地の白が透けてムラになっているのが分かると思います。隠ぺい力の弱い黄色は、均一な仕上がり仕上げるために、どうしても塗膜が厚くなってしまうので、パーツの差し込む部位がタイトな場合、そのままだと入らなくなってしまうことがあります。そのため取り付け部位ピンやほぞ穴の塗膜を削っておく必要があります。

 

■テールランプ類の取り付け

ウインカーやブレーキランプ類はカーモデル同様にクリアパーツで成形されているので、塗装することでリアルに仕上がります。ただパーツが小さいので、ランナーの状態でクリアーレッドとクリアーオレンジの塗装を済ませた方が楽です。

作例はレンズ部分の光沢感を強調するため塗装後に光硬化のクリアレジンでコートしています。

▲テールランプのレンズはクリアパーツで再現されているが、切り離してしまうと塗装しづらいので、ランナーから切り離さずに塗装する

▲テールランプのベースパーツに塗装したクリアパーツを接着。接剤にはクリアボンドを使用する

▲接着剤が硬化した後、パーツの表面をクリアレジンでパーツ表面をコートして光沢を強調している

 

■エンジンカバーの放熱スリットはスミ入れで奥行きを表現

エンジンカバーには放熱用のスリットがシャープにモールドされています。そのままでも違和感はないのですが、今回はスミ入れ塗料を使い奥行きを強調しています。またフロントのウインチのリール部分とタイヤホイールもスミ入れで陰影をつけてパーツのディテールを強調しています。

▲タミヤ スミ入れ塗料のブラックを使い放熱用スリットのディテールを強調

▲スミ入れ塗料は軽く攪拌して色が薄い上澄みを塗布、はみ出した塗料を綿棒で拭き取ることでキレイに仕上がる

▲フロントメンバーに取り付けたウインチのリール部分もスミ入れでディテールを強調した

▲車体色と同じイエローで塗装しホイールはボルトとホイールキャップに軽くスミ入れすることで雰囲気がアップ

 

■シャシー及びエンジン周りの完成

組み上げたシャシーにタイヤを取り付けたら車体の完成です。

私見ですが、普通のカーモデルとは一味も二味も違うと言いますか、どちらかと言えばミリタリーモデルに近い感覚です。メカメカしいディテールは組んでいて面白いキットだと思います。正直これまで建機のプラモデルは組んだことが無かったのですが、食わず嫌いはいけませんね。ちょっとハマりそうです。

▲完成した車体下回りとエンジン機器。塗装は全体をセミグロスクリアーでオーバーコート、半ツヤに仕上げている。

 

■建機が面白い!キット化熱望!トンネルボーリングマシン

建機は特定の作業に特化した機器ということもあり、スケールモデルとしても面白いと思います。前回紹介したドイツレベル社がキット化している『バケットホイール エクスカベーター289露天堀り掘削機』なんてのは、建機というより地球防衛軍の秘密メカみたいでカッコ良いし、ハセガワにはトンネル堀りに使われているボーリングマシンとかぜひキット化して欲しいところです。

現在プラモデル的には種類も限られている建機ですが、ミニカーの世界ではとても充実しているのに驚かされました。トンネルボーリングマシンも出ているんですよ、マニアックというかなんというか、でも欲しい!

というわけで今回のタダノラフテレーンクレーン製作はここまで、次回はキャビンの製作と、いよいよクレーンの製作をスタートします。お楽しみに!

ロビンス
「1/50 TBM(トンネルボーリングマシン)」(9万4000円)

SPMTの6軸モジュールが4台、パワーパック2基と積荷のロビンスTBM(トンネルボーリングマシン)のセット(※モデルトラックファクトリー扱い)

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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