激戦の400ccクラスの台風の目になる!? トライアンフ「スピード400」のパンチある走りに感動
&GP / 2024年3月10日 7時0分
激戦の400ccクラスの台風の目になる!? トライアンフ「スピード400」のパンチある走りに感動
昨今、にわかに注目度が高まっているのが400ccクラスのバイクです。ホンダの「GB350」がベストセラーになり、昨年にはカワサキから4気筒エンジンを搭載した「Ninja ZX-4R」やクルーザーの「エリミネーター」が登場。さらにはハーレーダビッドソンからも普通自動二輪免許で乗れる「X350」が発売されるなど、輸入車も含めてこのクラスは激戦区となっています。
そんな中でも熱い眼差しを集めているのが、トライアンフから発売されたばかりの「スピード400」。トライアンフらしいスタイリングでありながら、普通自動二輪免許で乗れて、価格も69万9000円とリーズナブルなのが注目される理由です。登場して間もないこのマシンに試乗することができたので、その魅力を存分に味わってきました。
■クラシカルなルックスに最新のスペックを搭載
「スピード400」はトライアンフの“モダンクラシック”シリーズに位置付けられ、往年の同ブランドのマシンを思わせるクラシカルなデザインをまとっています。スリムな単気筒エンジンを採用していることもあり、丸目のライトにティアドロップ型のガソリンタンクの組み合わせは、とてもバイクらしいルックスです。
搭載されるエンジンは398.15ccの単気筒。近年人気のホンダ「GB350」やロイヤルエンフィールドの350ccシリーズも単気筒ですが、これらのモデルがロングストロークの空冷エンジンであるのに対して「スピード400」は水冷で、ボアが89mm、ストロークが64mmのショートストロークタイプとなっています。ストロークが伸びるほどトルクフルな特性となり、逆に短くなると高回転まで回るタイプのエンジンとなるので、「スピード400」は後者に該当するタイプです。
最高出力は40PSを8000rpmで発揮。最大トルクは37.5 Nm/6500rpmとなかなかのハイスペックです。それでいて、直立したシリンダーには空冷を思わせる大きめのフィンが刻まれており、クラシカルなルックスも作り出しています。
足回りの装備も現代的で、フロントには43mm径のビッグピストンタイプの倒立フォークを採用。ブレーキもラジアルマウントとされていて、制動力が高そう。リアはモノショックで、ホイール径は前後17インチと走りに対する性能には妥協が感じられません。
シルエットはオーセンティックなバイクらしいものですが、細かい部分に目を向けるとバーエンドタイプのミラーや、アナログとデジタルを組み合わせたメーターなど、モダンなテイストも感じられます。スロットルは電子制御で、切り替え式のトラクションコントロール機構も装備。アシストスリッパークラッチも付いていて、現代的なスペックとされています。
■パンチのあるトライアンフらしい走り
エンジンを掛けると、単気筒らしく歯切れの良い排気音が耳に届きます。聴いているだけでやる気にさせられる元気の良いもので、軽くアクセルを煽ると弾けるような音とともに回転が上昇するレスポンスの良さも感じられました。
操作感の軽いクラッチをつないで走り出すと、さらなる元気の良さに驚かされます。単気筒らしい鼓動感をともないながら、俊敏に反応するエンジンはトルク感も強く、170kgの車体を蹴り出すように加速させます。空冷ロングストロークのようなのんびりした単気筒を想像していると、体がちょっと置いていかれるくらいの力強い加速。
トライアンフは昨年モトクロスマシンも発表していますが、そのマシンからのフィードバックもあるのではと感じさせるくらいのレスポンスです。
街乗りでは少し持て余すくらいの動力性能を感じたので、高速道路に乗って郊外のワインディングにも足を伸ばしてみましたが、高速での巡航でもパワー不足を感じるどころか追い越しや合流での加速も余裕を持ってこなすことができます。400ccで40PSという数値から想像するより、ずっとパワフルに感じられるパワーユニットです。
車体がスリムで軽量なので、ワインディングでは水を得た魚のよう。サスペンションのストロークがやや大きめに取られていることもあって、少し路面が荒れたような峠道でも安心してアクセルを開けていけます。これだけ走ると、同ブランドの大排気量車の販売に影響するのではないか? と余計なことを考えてしまうほどの走行性能でした。
▲「スクランブラー400 X」
最近の400ccクラスのマシンは、4気筒エンジンを搭載する「Ninja ZX-4R」シリーズがラムエア加圧時で80PSを発揮するなど高性能化も進んでいますが、今回乗った「スピード400」も予想していた以上の高性能。単気筒ですが、2気筒エンジンを搭載するライバルに対しても勝るとも劣らない動力性能を感じました。同じエンジンを搭載した「スクランブラー400 X」も発売されているので、合わせてこのクラスの台風の目となりそうな完成度です。
<取材・文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
【関連記事】
◆中免で乗れる魅力的なバイクが続々登場! 2024年発売の注目バイク5選
◆ハーレーを身近な存在にしてくれた新「X」シリーズの気になる乗り味
◆ヨンヒャクが復権!? ”中免”で乗れる排気量のバイクが元気になっている理由
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
異国の香り漂う「旬のバイク輸入車」おすすめ3選 バイクジャーナリストが試乗して厳選【2024年4月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年4月26日 19時0分
-
輸入車400ccバイクの本命!? KTMの新型「390 DUKE」の走りがスゴかった
&GP / 2024年4月21日 7時0分
-
ホンダ「ベンリイ」のルーツは1950年代!? 125ccでも免許不要で乗れる「便利」なバイクだった
バイクのニュース / 2024年4月15日 19時40分
-
見た目はほとんど同じ!?フレームが共通の兄弟バイク3ペア
バイクのニュース / 2024年4月15日 13時10分
-
トライアンフから「春のリフレッシュキャンペーン」のお知らせ
PR TIMES / 2024年4月4日 17時45分
ランキング
-
1サントリーCM「ひろゆき」起用に見る"したたかさ" 成田悠輔はダメなのに、ひろゆきは大丈夫な理由
東洋経済オンライン / 2024年4月27日 12時40分
-
2洗濯機の「水栓」を開けっ放しにしてしまうと危ないのでしょうか? 【家電のプロが回答】
オールアバウト / 2024年4月27日 20時10分
-
3元横綱・曙の「54歳で死去」はまったく不思議ではない…「野球選手14%」に対し「幕内力士58%」という死亡率の高さ
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 16時15分
-
4“100均”オススメ商品は? 男女200人の“リアルな声”
オトナンサー / 2024年4月27日 7時10分
-
5刑事役を拒否していた田村正和は、なぜ「古畑任三郎」だけは引き受けたのか…最終話で菅原文太に放った名台詞
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください