「哀愁のポルトガル」を肌で感じる、コインブラファドの歌声は鳥肌なしには聴けない!
GOTRIP! / 2016年10月10日 10時0分
「哀愁のポルトガル」を象徴するのが、ユネスコの無形文化遺産にも登録されているポルトガルの民族歌謡、ファド。
人生の歓びや悲しみ、郷愁などを題材にしたポルトガル人の心の歌です。
ファドの発祥はリスボンの下町で、社会の底辺にいる人々が娯楽として歌い、聴いていたのがはじまりだといわれています。現在のファドの形式は19世紀に確立され、しだいに庶民のあいだに広まり、今に至るまで受け継がれています。
ファドの発祥地、リスボンにはファドを聴かせる店がたくさんありますが、大学町として知られるポルトガル中部の街、コインブラにも独特のファド文化があります。リスボンファドはおもに女性の心情を歌うのに対し、コインブラファドの歌い手は男性のみ。
これは、もともとコインブラファドは好きな女の子に捧げる歌として男子学生が歌い始めたものだったため、その伝統を踏襲してのこと。現在も大学生のあいだでコインブラファドの伝統が受け継がれています。
コインブラファドはコインブラ大学に在学していたブラジル人学生から広まったという説や、リスボンのファドが伝わったという説など、その起源については諸説あります。
コインブラファドは、若い男性が想いを寄せる女性に自分の気持ちを伝えるためのロマンティックな内容の歌が多いことが特徴。かつては男子学生が夜、こっそりと想いを寄せる女の子の家に行き、女の子が歌と男性を気に入ったら電気をつけたり消したりを3回繰り返しす習慣があったのだとか。
そんなコインブラならではのユニークなファドが聴ける場所が、「Fado ao Centro(ファド・アオ・セントロ)」。コインブラファドの文化を守るために設立された機関です。
ファド・アオ・セントロで披露されるのは、男子学生が好きな女の子に捧げる典型的な愛の歌、政治的理由で祖国ポルトガルを離れなければならなくなった男性が、愛するものを想い歌う曲、コインブラ大学の卒業式のためにつくられた歌など。
コインブラファドのパフォーマーは独特の黒いマントを着て舞台に立ちます。
ファドの公演は、ポルトガルギターとクラシックギターの演奏から始まり、途中から歌い手が登場。2人の歌い手が、異なる魅力の美声を披露してくれます。
言葉がわからなくても、切なさや情熱、幸せな気分、寂しさ、苦しみなどさまざまな感情が伝わってきます。
歌い手は歌い始める瞬間にグッとその曲の世界に入り込みます。曲が最も盛り上がる瞬間には、歌声の素晴らしさに鳥肌が立つほど。
ファド・アオ・セントロはコンビニよりも小さいくらいの狭い空間。最前列の客席と、舞台の距離はわずか1メートル少々という近さです。それゆえ、会場全体が共鳴するような一体感と感動が味わえるのです。
通常のファドの公演は夜21時ごろから深夜までと遅い時間帯が主流ですが、ファド・アオ・セントロでの公演、毎晩18時から約1時間と、気軽に訪れやすいのも魅力。
コインブラの、そしてポルトガルの歴史と文化を肌で感じられるコインブラファド。ファドを聴いて、「哀愁のポルトガル」を体感してみませんか。
Fado ao Centro(ファド・アオ・セントロ)
住所:Rua de Quebra Costas 7, Coimbra
公式サイト:http://www.fadoaocentro.com/en
Post: GoTrip! http://gotrip.jp/旅に行きたくなるメディア
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【オーセントホテル小樽】開業25周年記念 6月ファイナル追加イベント 食と音楽のハーモニー
PR TIMES / 2024年5月17日 19時15分
-
テイラー・スウィフトに「口パク」疑惑...ライブ映像にさまざまな憶測...あなたはどう思う?
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月17日 12時20分
-
デビュー55周年 由紀さおりのマルチな才能 「さそり座だから執念深いの…」コラボでみせたジャズシンガーとしての一面 「ピンク・マルティーニ」で結実した「1969」
zakzak by夕刊フジ / 2024年5月16日 11時0分
-
「笑える」「内容全部飛ぶわ笑」 人気アニメ映画の主題歌を歌い手が再現 → まさかの大撃沈が話題に
ねとらぼ / 2024年5月14日 19時30分
-
日本人はなぜ全世代で「中島みゆき」が好きなのか デビューした1970年代から全年代で1位獲得の訳
東洋経済オンライン / 2024年5月4日 12時30分
ランキング
-
1【漫画】無言・無表情…でも内心はめっちゃ楽しい!自由気ままな「一人旅あるある」に共感しかない
まいどなニュース / 2024年5月23日 19時40分
-
2ワークマン好きが“リピ買い”した「夏ウェア」3選 2023年夏に人気だったウェアが、新モデルになって登場
Fav-Log by ITmedia / 2024年5月24日 6時55分
-
3子どもを1人で寝かすのは何歳からがいいのか…小児科医が示す「生後6カ月で別々に寝る」という選択肢
プレジデントオンライン / 2024年5月24日 6時15分
-
4SNSで「やばすぎる」と話題のパスタが本当に最高だった ジョリーパスタの思い切りに大感謝
Sirabee / 2024年5月23日 4時0分
-
5断水で手が洗えないとき…「自衛隊ならこうします!」 身近にあるもので作る“簡易水道”のアイデアに「めっちゃ簡単」「勉強になります」
まいどなニュース / 2024年5月24日 11時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください