マルコポーロ伝説の美しき島、アドリア海に浮かぶクロアチアのコルチュラ島の魅力とは
GOTRIP! / 2017年6月29日 7時30分
クロアチア、アドリア海に浮かぶ、豊かな自然に恵まれたコルチュラ島。ワインやオリーブの生産が盛んで、独自の伝統文化が受け継がれてきた自然と歴史と文化の島です。
スプリットとドゥブロヴニクの中間に位置し、ヨーロッパ屈指のリゾートアイランドとして名高いフヴァル島にも近いため、周遊プランに組み込みやすいのも魅力。フェリーやカタマラン(高速船)が増便となる夏期には、ドゥブロヴニクからの日帰りも可能です。
そんなコルチュラ島の中心都市が、島名と同じコルチュラ。
間近に迫るダイナミックな山々の風景を望む美しい港町で、ヤシの木が並ぶ港沿いのプロムナードを歩けば、すっかりリゾート気分に。
コルチュラの中心地、トミスラヴ王広場を北へと進むと、重厚感あふれる石造りの門が目に入ります。これが旧市街の入口。
旧市街は全長200メートルにも満たないほどこぢんまりとしていますが、13~15世紀のヴェネツィア支配下時代の歴史的建造が残る街並みは、中世そのままの趣を保っています。
コルチュラのランドマーク的存在が、聖マルコ大聖堂。15世紀に建てられた大聖堂で、イタリア人やコルチュラ島出身の職人によるファサードの装飾が目を引きます。
正面入り口に施されたライオンとアダムとイブの像は必見。派手さはありませんが、細部にいたるまで精緻に表現された彫刻は、見れば見るほど見事です。
大聖堂に併設された塔の上から、コルチュラの市街とアドリア海、周囲の島々を一望してみましょう。数百年ものあいだ時を止めたような街並みと、コルチュラの豊かな自然環境は感動的です。
聖マルコ大聖堂のななめ向かいには、16世紀の宮殿を利用したコルチュラ博物館が。石細工や造船などのコルチュラの産業や、19世紀の生活用品などが紹介され、コルチュラの伝統に触れることができます。
半島の先端に広がる旧市街は、その南北をメインストリートが走り、東西にはいくつもの小さな路地が張り巡らされています。
こうした小さな路地に入りこんでみるのが、コルチュラの旧市街散策の醍醐味。おしゃれなショップやレストランがあったり、洗濯物がはためいていたりと、路地裏では、コルチュラのさまざまな表情を目にすることができます。
建物に施された装飾も美しく、情緒漂うフォトジェニックな風景に、すっかり夢中になってしまうはず。
うって変わって、旧市街東側の海沿いには、ずらりとレストランが並んでいます。ここには、コルチュラのなかでも特に評判の良いお店が揃っているといわれています。
しかも、この通りはアドリア海が見渡せる絶好のロケーション。晴れた日に、青く澄んだアドリア海を眺めながらのランチは最高ですよ。
コルチュラ島といえば、忘れてはならないのが、「東方見聞録」で知られるマルコ・ポーロ。
というのも、マルコ・ポーロは現在のイタリア・ヴェネツィアで生まれたとされる説が一般的ですが、クロアチアでは、マルコ・ポーロはコルチュラで生まれたと主張されているのです。
そのため、コルチュラにはマルコポーロ関連の施設がいくつかあります。その筆頭が、マルコ・ポーロ博物館。24年に及ぶマルコ・ポーロの旅路を人形やジオラマを使って再現しており、マルコ・ポーログッズを扱うショップも併設しています。
一方、旧市街の一角にあるマルコ・ポーロの塔は、マルコ・ポーロの生家といわれている場所。
果たしてマルコ・ポーロは本当にコルチュラ生まれなのか、真偽のほどは定かではありませんが、どこか謎めいた雰囲気もコルチュラの魅力なのです。
観光地なのに素朴であたたかい。気取らないのに、洗練されたレストランやショップもちゃんとある。こうした見事なバランスこそが、コルチュラのなんともいえない居心地の良さを生み出しているのでしょう。
豊かな自然に抱かれた中世の街・コルチュラは、そのおおらかな優しさで、訪れた人をあたたかく包みこんでくれるのです。
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