切手とタックスヘイブンで有名なミニ国家・リヒテンシュタインってどんなとこ?
GOTRIP! / 2017年10月16日 6時30分
スイスとオランダに囲まれたヨーロッパの小国、リヒテンシュタイン。
日本ではあまり知られていませんが、国民の平均年収が1000万円を超えるという世界で最も裕福な国のひとつです。
・世界で6番目に小さいミニ国家
リヒテンシュタインは面積160平方キロメートル、日本の小豆島と同じくらいという世界で6番目に小さいミニ国家。
人口はわずか3万6000人ほどと、日本人からすると独立国家として存在していることが信じられないほど小さな国なのです。
・公爵が治める立憲君主国家
リヒテンシュタインはリヒテンシュタイン公爵が治める立憲君主制で、リヒテンシュタイン家の当主による世襲制がとられています。
リヒテンシュタイン家は、もともとドイツ南部のバイエルン・シュヴァーベン地方のドナウヴェルトを発祥とするドイツ系貴族。14世紀からオーストリアのハプスブルク家に仕えたリヒテンシュタイン家は、17世紀末、神聖ローマ帝国議会への列席権というステイタスを得るため領地を手に入れようとしました。
そのとき売り出されていたのが現在のリヒテンシュタイン領の一部。その後さらに買い増しをして、1719年に神聖ローマ帝国から自治権を与えられたことで、リヒテンシュタイン公国が誕生したのです。
・スイスとの関係が深い国
リヒテンシュタインが最も深い関係を結んでいるのは、隣国のスイス。EUには加盟せず、スイスと関税同盟を結んでおり、通貨はスイス・フランが流通しています。ただしユーロでも支払える場合が多く、短期間旅行するだけなら必ずしもスイス・フランを用意する必要はありません。
公用語はスイスでも使われているドイツ語。ただし日常会話に使われるドイツ語は方言が強く、標準ドイツ語とは異なります。
・タックスヘイブン
会社設立が容易でタックスヘイブンとしても知られるリヒテンシュタインには、世界中から企業が集まっています。税金の減免を目的としたペーパーカンパニーも多く、一説には人口よりも企業数のほうが多いといわれることも。
その結果、税率が低いにもかかわらず税収のおよそ40パーセントを法人税が占め、一般の国民には所得税や相続税が課されていません。
・首都はファドゥーツ
リヒテンシュタインの首都は、スイスとの国境の目と鼻の先にあるファドゥーツ。人口はおよそ5500人で、れっきとした独立国家の首都とはいえ、雰囲気としてはあたかもスイスの一地方都市であるかのようです。
ファドゥーツのシンボルが、町を見下ろす高台にそびえるファドゥーツ城。約700年の歴史をもつファドゥーツ城は、1712年にリヒテンシュタイン公爵家が取得。1938年以降は公爵家の居城となっています。
リヒテンシュタイン城と混同されることが多いですが、リヒテンシュタイン城はドイツにあり、リヒテンシュタインにはありません。
・世界の切手マニアが注目
リヒテンシュタインといえば、芸術的なデザインと高い印刷技術を誇る切手が有名で、切手で食べているという伝説があるほど。実際には切手による収入は国家収入の1割にも満たないそうですが、ほかの国に比べると切手収入の割合が高いのは間違いありません。
首都のファドゥーツには切手博物館があり、100年前から最近までの切手や切手の歴史などが紹介されています。美しい記念切手も販売されており、リヒテンシュタインを訪れるなら見逃せないスポットです。
・高度な工業製品を生産
低い税率や切手が話題になることの多いリヒテンシュタインですが、実は義歯やコンクリートドリルといった高度な技術を必要とする工業製品の製造に長けていて、それらの分野ではヨーロッパ全体のシェアの90パーセントを占めています。
もともとは下級貴族にすぎなかったリヒテンシュタイン家の領地から生まれた、リヒテンシュタインという国。そんなおとぎ話のような成り立ちの国が21世紀に存在していて、しかも世界一豊かな国のひとつといわれているなんて、驚きではないでしょうか。
知れば知るほど、ますます気になってしまうのがリヒテンシュタインなのです。
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