隠れた名所、アールヌーボーの装飾が甦ったプラハ駅
IGNITE / 2017年11月18日 15時0分
ドイツやオーストリアなど、ヨーロッパ各地を結ぶ路線が走るチェコの「Praha Hlavní Nádraží(プラハ中央駅)」。多くの観光客も利用するこの駅には、隠れた名所がある。
列車に乗ろうとして慌てているとつい見逃してしまうのだが、ホームに上がる階段とは別に上の階へと導くエレベーターが存在する。そこを上がると、天井の高い、ドーム状の空間が広がっている。改修工事の終わった、旧改札口である。
ドームの裾部分には、チェコにある地域(市)の紋章が色鮮やかに並ぶ。例えば、3つの塔が描かれている城の城門から腕が伸び、剣を構えている紋章がある。赤を背景として金色の城が目立つ意匠だが、これがプラハ市の紋章だ。マンホールなどにも描かれている紋章なので、街中でもよく目にする。
正面部分は元々改札口だった場所で、見事なレリーフや彫刻がなされている。Mucha(ムハ、ミュシャ)を生んだ国、チェコならではのアールヌーボー様式で実に豪華だ。
そして改札口の横に並んでいるのは、昔券売所として人々が列を成していた場所である。今では一部分がカフェになっており、プラハ駅でのんびり列車を待つ人々の格好の場所となっている。
反対側の天井部分を見上げると、美しいステンドグラスがはめ込まれている。ガラス細工を得意とする、ボヘミアンガラスを生んだ国らしい装飾だ。チェコの技術と芸術が、ここに集約されていると言って良いのではないだろうか。
残念ながら現存していないが、東京駅にあるステーションホテルの内装は、あの広島県物産陳列館(現原爆ドーム)を設計したチェコ人のヤン・レッツェルである。チェコ人の美的感覚が、東京駅とプラハ駅に共通しているのかと思うと、なかなか感慨深い。
列車に乗る時間に余裕を持って、是非この美しい駅の内装を見て欲しい。チェコの芸術を間近に感じてもらえることだろう。
(田原昌)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ドームから360度の眺望を楽しめる客車、ビールの試飲会も 日本語を話すスタッフも乗務、カナディアン乗車記④ 「鉄道なにコレ!?」【第60回】
47NEWS / 2024年4月14日 10時0分
-
2024年4月11日(木)「飛驒高山美術館」開業開業を記念してオープニングセレモニーを開催しました ~新たな時代のアート体験を提供し、多くのお客様に愛される美術館を目指します~
PR TIMES / 2024年4月12日 17時45分
-
近鉄一の「ザ・ターミナル」大阪阿部野橋駅の実力 乗降人員最多は「あべのハルカス」のおひざ元
東洋経済オンライン / 2024年4月4日 6時30分
-
「踏みまくって地獄に」エスカレーターに大便が点々と JR大宮駅の東西連絡通路で...清掃会社が明かしたその惨状
J-CASTニュース / 2024年4月2日 19時35分
-
都内にある「巨大無人駅」東武大師前駅の裏側 乗車2分、全長1kmの路線の終点は「改札機なし」
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 6時30分
ランキング
-
1ねんきん定期便の見込額に注意!年金から天引きされる4つのお金を知っておこう
オールアバウト / 2024年4月25日 21時20分
-
2お目当ては“ワケあり”商品……半額以下も! 購入客もナゼ? 安さの理由 物価高の家計助かる販売所へ『every.気になる!』
日テレNEWS NNN / 2024年4月25日 17時46分
-
3「乗り心地が良くなってしまうなんて……」日本唯一「カーレーター」の座席が“改善” 惜しむ声続々!?
乗りものニュース / 2024年4月25日 18時12分
-
4麻生氏のトランプ会談に透ける下心丸出しな“片思い”…前大統領にいたっては親友シンゾーの死を忘れた?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月26日 9時26分
-
5【SNSで話題】エアコン冷房「室外機に濡れタオル」で節電になるのか - ダイキンが検証結果を発表
マイナビニュース / 2024年4月25日 9時42分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください