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大阪「N project(エヌプロジェクト)」にて開催、アーティスト大西晃生氏の個展「persona」

IGNITE / 2023年7月1日 16時0分

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ニュートラルなポジションから問題を提示し、先駆的表現を伴う可能性に満ちたプロジェクトを、作家やキュレーター、そして鑑賞者との対話から発信していくギャラリー「N project(エヌプロジェクト)」。

そんなN projectにて、7月7日(金)~30日(日)の期間、大西晃生(おおにし あきお)氏の個展「persona」が開催される。

0 #14, 2023, Acrylic on canvas, 162.0 x 130.3 cm

コミュニケーション不在の社会の寂寥を示唆する作品を制作

大西晃生氏は、京都精華大学デザイン学部を卒業後、東京を拠点に活動しているアーティスト。美術の不変的なテーマのひとつである人物像を描きながらも、現代社会の匿名性、消費されるモノとしての視覚イメージを巧みに作品に取り込み、コミュニケーション不在の社会の寂寥を示唆する平面作品や映像作品を制作している。

ユングが提唱したペルソナから

同個展では、スイスの心理学者であるカール・グスタフ・ユング(1875~1961)が提唱した、本来の自己とは異なる人間の外的側面、個人が社会生活において求められる役割に対応する仮面を意味する「Persona(ペルソナ)」から題し、新作の平面作品のインスタレーションおよび作家自身の生い立ちを巡る、存在したかもしれないペルソナを彷彿とさせる映像インスタレーションを展開する。

0 #15, 2023, Acrylic on canvas, 162.0 x 130.3 cm

大西氏の制作過程では、インターネット上の誰もが自由にアクセス可能な人物写真を印刷し、自身の手でランダムに皺を加えた状態を撮影、ディスプレイに映しだしたデータをキャンバスに描く。大西氏の描く人物はモデルを特定しないだけでなく、その性別や国籍について、視覚的な特徴をあえて埋没させるプロセスを経たあとに、画面上に顕現する。

0 #16, 2023, Acrylic on canvas, 162.0 x 130.3 cm

個の特徴を極限まで省いた容貌をインスタレーションとして展開

これらの人物像に共通する「上を向く」「目を瞑る」「俯く」など、こちらに目を向けない構図は、他者と目を合わさない現代日本人の文化的な特徴や、今日必需品となったスマートフォンへ向ける視線を暗示しており、個の特徴を極限まで省いた容貌をインスタレーションとして展開した集積が、逆説的に現代社会の人間の在り方を炙り出す。

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